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唐沢寿明「これまでで一番難しいと感じた作品でした」『24 JAPAN』撮了で胸に秘めた思い告白

アメリカ連邦機関CTU(テロ対策ユニット)の捜査官ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が、凶悪なテロ事件と戦う姿を描いた世界的大ヒットシリーズ『24』(邦題:『24-TWENTY FOUR-』)の日本版リメイク『24 JAPAN』

2020年10月から放送されてきた本作が、ついに3月26日(金)に最終回を迎える。

日本初の女性総理候補・朝倉麗(仲間由紀恵)の暗殺計画を阻止するため、そしてテロ集団から命を狙われた妻・六花(木村多江)と娘・美有(桜田ひより)を救い出すため、まさに命がけで24時間を駆け抜けてきた主人公・獅堂現馬(唐沢寿明)。

そんな現馬を演じてきた唐沢が、このたびクランクアップ。1年にもおよぶ長い撮影の日々を振り返り、胸に秘めた思いを教えてくれた。

◆「自分との戦い」に没頭した唐沢

――1年にわたる撮影がようやく終わりました。今の心境を教えていただけますか?

「大河ドラマでクランクアップしたときも『あと2、3年できそうだよな』って思いましたけど、実は今も終わった感じがあまりしないんですよ。長期間の撮影に慣れていて、まだ体が元気だからかな(笑)? 全編を通して追い詰められる役ではありましたけど、現馬はそういう状況に追い込まれる仕事をしている人間ですから大丈夫でした。

逆に一般の人なのに、巻き込まれてしょっちゅうさらわれ、殺されかける現馬の奥さんと娘を演じた木村多江さんと桜田ひよりさんのほうが、大変だったんじゃないかなと思いますね」

――撮影がはじまった当初、「獅堂現馬は普通の男だ」とおっしゃっていました。そんな男と1年間向き合うなかで、新しく得た印象や発見などはありましたか?

「今でも、彼はやっぱり普通の男だと思いますね。『24 JAPAN』の元になったオリジナル版のシーズン1も家族の話が中心で、テロリスト側の事情にもその骨組みが存在しているんです。

そういう物語だからこそ、わかりやすい迫力はない。そんなこともあって、日本語吹き替え版では迫力を足すために、勇ましい声を採用していたじゃないかと思うんですよ。だから、その印象のまま今回の『24 JAPAN』を見てくださった方々は、ちょっと『うん?』と思われたかもしれません。

でも実際、キーファー・サザーランドさんもシーズン1ではしょっちゅう叫ぶわけでもなく(笑)、普通の男を演じてらっしゃいました」

――そんな獅堂現馬を演じているとき、唐沢さん自身の心境はいかがでしたか?

「これまでで一番難しいと感じた作品でしたね。当然だけど、オリジナル版と同じようにはできないですし、そもそもやると決めた時点で賛否両論あることは覚悟していましたから。なにせオリジナル版は世界的に大ヒットした作品で、ほかのリメイクとはちょっと次元が違いますからね。

根強いファンもたくさんいますし、オリジナル版と比べて物申したい人もいるのは当然だと思うんです。そういう意味ではハードルが高すぎる! でも、それほどの作品だからこそおもしろいし、挑戦し甲斐がありました。僕はそういう“0か100かの賭け“で勝負する“自分との戦い”が好きなんですよ」

◆「この作品は手強いんですよ!」

――日本版を制作するにあたって、唐沢さんからも何かアイデアは出されたんですか?

「いや、本国との契約上大きく設定やストーリーを変えられないですし、そもそもすべて日本風に変えてしまうと、今度は『24』ではなくなってしまう。この作品は手強いんですよ! だからこそ逆に、こうしたらもっとおもしろくなるんじゃないかと、いろいろ工夫しながら日本版を作っていく過程はおもしろかったですけどね」

――獅堂現馬の見せ方でも、いろいろ考えられたんですか?

「自分自身のことはあまり考えていなかったですね。全体的に作品を見て『今週、おもしろかったな』と思ったり…その繰り返しでした。そもそも僕は自分をどう見てほしいとか、どう評価してほしいとか思っていなくて、うまく自分の役が作品の世界に入っていればいいんです。

実際、『24』や『24 JAPAN』の脚本もそういうスタンスで書かれていて、1シーンしか出てこない役でもすごく活きている! そういう全体としての描写の仕方は、僕たち日本人もどんどん学んで、トライしていけたらおもしろいと思いました」

◆新たな決意を胸に

――『24 JAPAN』での経験は、今後に活かせそうですか?

「脚本の読み方や、監督に意見を言うときの姿勢は、少し変わってくるんじゃないかと思います。無理難題を言っても仕方ないのだけれど、少なくとも与えられた枠のなかで『こうしたほうがおもしろくなるんじゃないか』と考えながら臨むべきだな、と。

だって、『まぁ、こんなもんだろう』と惰性で臨むのはイヤじゃない? 評価されるかどうかは別にして、小さなことでも何か努力しながら生きていきたいですしね。そうやって今後の作品にも取り組んでいきたい、とあらためて思いました。

と同時に、『24』シリーズのような大人の鑑賞に堪えるサスペンス、もっと刺激が欲しい大人用のコンテンツを、日本人のエンターテインメントとして作っていけたらおもしろいんじゃないかな、と。今後がますます楽しみになりましたね」

ハードな長期間撮影の疲れも吹き飛ばす、無限の作品愛を『24 JAPAN』に注ぎ続けた唐沢。その熱は3月26日放送の最終回で最高潮に。

唐沢寿明=獅堂現馬の“最後の戦い”をお届けする。

※番組情報:『24 JAPAN』第24話(全24話)
2021年3月26日(金)午後11:15~深夜0:15、テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)

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