レジェンド・上野由岐子を育てた秘話。試合中にビンタ…母の厳しさと、魔法の褒め言葉
テレビ朝日が“withコロナ時代”に取り組む『未来をここからプロジェクト』。
日曜あさの情報番組『サンデーLIVE!!』内で放送中の『TOKYO応援宣言』では、「未来は褒めることから」と題し、褒められて飛躍を遂げたアスリート、褒めることで選手を伸ばしたコーチの逸話など、スポーツにまつわる“褒めエピソード”を紹介している。
1月17日(日)放送の同番組では、ソフトボールの上野由岐子(38歳)を特集。原点である母親との秘話を語ってもらった。
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◆「由岐子がんばったね」って褒められたくて
2020年11月に行われた女子ソフトボールの日本リーグ決勝。この試合で完封勝利をおさめ、チームを2年連続日本一に導いた上野由岐子。
日本代表に選ばれて20年以上、現在も不動のエースとして活躍する女子ソフトボール界のレジェンドだ。
そんな上野が38歳の今でも世界屈指の投手として活躍できる原点は、母・京都(みやこ)さん。
「怒られた記憶しかない。しかも(中学時代)試合中にビンタされましたからね。打たれてダメな態度をとっていた私の姿に、うちの母がカチンときて『最後までちゃんとやりなさい』って。でもその試合、そのビンタのおかげで逆転して勝ったんですよ(笑)」(上野)
厳しい母に育てられた上野が、ここまでがんばれたのには理由があった。それは幼稚園時代のこと。
「幼稚園のとき毎年持久走大会があって、自分はその頃から走るのが好きだったんですよ。『由岐子がんばったね』って褒められたくて、伴走で走ってくれる先生を追い抜いて1番で帰って来たことがあります」(上野)
なんと、幼稚園児が伴走の先生を追い抜いてゴールしてしまったという。
「ウチの母が、自慢するようにいろいろな人にしゃべっている姿を見て、『がんばってよかったな』と思いました。それからも1番になったり、自分が投げた試合で勝ったりすると、『由岐子よくやった』とか『由岐子よくがんばったね』と褒めてくれました。その褒め言葉が聞きたくて、ずっとがんばっていましたね」(上野)
「母に褒めてもらいたい」――この思いが原点となり、どんな逆境のときも、上野を立ち上がらせてきた。
◆褒められてついた自信が原動力
金メダルを獲得した北京オリンピック後、ソフトボールがオリンピック競技から除外されても上野は前を見つづけてきた。
そしてソフトボールがオリンピック競技として復活し、38歳になった現在も日本のエースとして努力しつづけている。
その力を見せつけたのは、先述した日本リーグ決勝。
上野はコースギリギリを突くコントロールでバッターを封じ込めると、タイミングをはずす変化球で相手を手玉に。その結果、じつに「14」もの三振を積み上げた。21のアウトのうち、3分の2も三振をとったのだ。
お母さんに褒められたいという想いが、今でも上野が活躍できる原動力。そんな彼女にとって「褒める」こととは…。
「褒めるというのは、自分にとって自信になる言葉だと思います。『自分のやってきたことが間違っていなかった』『自分はこれでよかった』『がんばってよかった』…いろいろな思いをもらえる。自分自身を認めてもらえたような言葉なんじゃないかなと思います」(上野)
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系