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女性装の東大教授・安冨歩が語る、現代社会を生きづらいと感じる原因

聞かれる側と、聞く側“インタビュアー”の手に汗握る真剣勝負を完全収録した、新感覚のインタビュー番組『ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~』(BS朝日)。

©BS朝日

7月2日(日)に放送される同番組には、東京大学東洋文化史研究所教授・安冨歩が登場。戸籍上は男性だが女性の装いをまとう安冨の発想の原点、そして安冨が思う“ありのままに生きる”意味とは? 他人に支配されることなく、自由に生きる安冨歩の知られざる素顔が明らかになる。

 

◆問題の根源は“エリートセレクションシステム”

現在、53歳の安冨。自身がトランスジェンダーであることに気づいたのは50歳を過ぎてから。

自らをとらえていた「見えない呪縛」の存在に気づき、そこから逃れる方法を探すうち「自分自身でないもののフリ」をすることこそ全ての“暴力の根源“という発見に至ったという。他人に支配されることなく自由に生きる安冨の姿にこそ、生きづらい現代社会から抜け出すヒントがあった。

安冨は、もともと数理科学という複雑系科学の分野や満州国を中心にした経済史などを専門とする経済学者だったが、こうした学問の専門的な区分けに意味はないと感じ、現在はさまざまな分野を横断的に研究する「社会生態学」に興味を持っている。

「社会生態学」とは社会を“森の生態系”を見るように観察する学問だという安冨は、現代社会の問題の根源にあるのは学力で区分けされた画一的な“エリートセレクションシステム”だと指摘。

学力試験で学生を選抜し“入学した大学がどこか”ということが就職後の人生を大きく左右する今の社会で、試験で問われるような専門知識などもはやネットに出ているのだから必要ない。それよりも命の重さや人の痛みを感じる“優しさ”や、未知のものにおびえない“強さ”を持った人こそ、エリートにしなければならないという。

 

◆生きづらさ感じる原因は“区切るシステム”

安冨がこうした考えに至ったのは女性の服を着るようになったことが始まりだという。そのきっかけは、意外にもダイエットだった。

ウエストが細くなった体型に男性用のズボンが合わず女性用がフィットしたことから、偶然、女性装をするようになったことが転機となり、性別というのは人間を“区分ける”ことの第一歩でしかないと考えるようになった。

性別のほかにも人間は子どもだとか大人だとか、身内だとか他人だとか、どこの学校だとか、弁護士だとか女優だとか、区分けし続ける…。

そして、この“区切るシステム”が子育てや将来就く職業にも影響し、現代社会を生きづらいと感じる原因になっているという考えにたどり着いたのだという。

肩書きや立場に左右されずに、自由に生きるにはどうすればいいのか?男性のフリをやめ、ありのままに生きる安冨ならではの独自の思考に、タレント、エッセイストの小島慶子が鋭く切り込む!

※番組情報:ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~
2017年7月2日(日)午後6:00~午後6:54、BS朝日