試合前のBGMは『相棒』のサントラ!卓球一筋の競技人生を支えた、平野早矢香の“相棒愛”
2000年に土曜ワイド劇場の作品としてスタートしたドラマ『相棒』。11月18日(水)には、最新作の『相棒 season19』第6話を放送する。
2020年にドラマ誕生から20周年を迎えることを記念し、「『相棒』20周年記念インタビュー企画」と題したインタビューを実施。“『相棒』ファン”を自称する著名人が同作との出会いや熱い思いについて語っている。
今回は、卓球界きっての『相棒』好きとして知られる平野早矢香のインタビューを紹介。
「私が『相棒』の話をすると、卓球と同じくらいの熱量で入り込んじゃうんです。『相棒』はなくてはならない存在ですね」と語る彼女に、同作との出会いや印象に残ったエピソードについて聞いた。
◆『相棒』は競技生活の“癒し”
現役時代、北京・ロンドンと2大会連続でオリンピックに出場し、ロンドン大会では団体戦で銀メダルを獲得するなど、卓球選手として活躍した平野。
そんな彼女が『相棒』と出会ったのは、卓球一色の青春を送っていたころのこと。先にファンだった母親のすすめで観はじめ、一気にハマっていった。
「中学から卓球留学というかたちで家を離れ、中・高生時代は仙台に、高校を卒業してからは大阪で卓球を中心とした生活をしていました。当時私の部屋にはテレビがなく、部屋に帰ったら寝るか、卓球ノートを書いているかという生活だったんですけど、『相棒』にハマってからは、DVDプレーヤーを買って両親に録画したDVDを送ってもらったり、レンタルDVDを観たりしていました。
当時は年の半分以上海外の大会に参戦したりしていたんですけど、そのときにも唯一『相棒』のDVDをもって行って、移動のときや試合が終わった後に観ていました。それが楽しみのひとつでしたね」
『相棒』にどっぷりと浸かった選手時代。同作はアスリート・平野早矢香を形成するうえで欠かせないものだったという。
「『相棒』の力って私のなかでとても大きくて、現役時代は引退するまで毎日張り詰めた生活をしていたんですけど、生活のなかの“癒し”みたいな存在でもありました。
『相棒』を観ていると落ち着くというか考えさせられるし、没頭できる。私のなかでは競技そのものを支えてもらっていたような感覚もあります。サウンドトラックとかもダウンロードして試合の前に聞いていたくらいです」
そんな平野の『相棒』好きは、作品を観るだけにとどまらない。
「大阪に行ったときに、百貨店で『相棒展』というイベントをやっていた時期がありました。まだ現役だったので2015年ぐらいだったと思います。卓球の全日本選手権が終わって数日後だったんですけれど、練習終わりにジャージのままひとりで行きましたね。
試合自体はたしかダブルスで優勝しているんですけど、『相棒展』があったからがんばれた部分もありました。いい結果を残していい気分で行きたいなと」
◆「再放送で犯人がわかっても毎回必ず見ます」
では、そこまで平野を夢中にさせた『相棒』の魅力とはどんなものか。本人に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「『相棒』はそれぞれのキャラクターもすごくおもしろいですし、ストーリー性もあって、刑事ドラマのなかでもやっぱり別格なんですよ。
ドラマとしておもしろいだけじゃなくて、自分の生き方や社会問題を考えさせられるようなストーリーもあるので、私は再放送で犯人がわかっても毎回必ず見ます。
私のなかですごく心に残っているのは、『少年A』(『season16』第19話)という回。はじめくんという少年が複雑な家族構成のなか、ひとりでいろいろなものを背負って生きていこうとする話です。
不自由な状況でも生きていくすべを考えて大人に立ち向かうはじめくんが、犯罪に加担してしまうんですけれど、刑事役のみなさんが彼にかける言葉がすごく心に響いて、表情一つひとつで想いを表現されていたんです。あれ見ると毎回泣いちゃうんですよ。
自分の本名もすべてウソをついていたはじめくんが、右京さんや伊丹刑事の言葉によってやっと素直になれる、自分の本来の年齢に戻れるシーンがあるんですけど、そこはやっぱり感動的でしたね。鮮明に覚えています」
「それ以外の回としては、『ラスト・ソング』(『season10』第6話)も印象に残っています。
“ミス・アンルーリー”という、もともとすごく売れていたジャズ・シンガーの復活ライブの話で、サポートしていたマネージャーさんが殺されて、容疑者のひとりとして“ミス・アンルーリー”が挙がるんです。
研ナオコさんが演じる“ミス・アンルーリー”のキャラクターも独特で印象に残っているんですけど、ジャズとか音楽の要素もあって、ちょっと癖のある“ミス・アンルーリー”に対して特命係があの手この手で真実を深掘りしていく回。ストーリーはおもしろかったですし、見ていて楽しかったですね。
ストーリーの最後、『私だったらしないけど、こういう選択をするんだ』という終わり方で、すごくジーンときましたし、見どころかなと思います」
※番組情報:『相棒 season19』第6話「三文芝居」
2020年11月18日(水)午後9:00〜9:54、テレビ朝日系24局
※過去回は、動画配信プラットフォーム「テラサ」で配信中!