6500円の鮮魚が飛ぶように売れる!日本一の魚屋「根津松本」成功の秘訣
人間洞察のプロであるインタビュアーが、さまざまなジャンルのトップランナーたちの知られざる真実を明かしていく番組『ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~』(BS朝日)。
6月25日(日)に放送される同番組では、さまざまな常識を覆した“日本一”の魚屋「根津松本」の主人・松本秀樹の意地とプライドにあふれた半生に作家・吉永みち子が迫る!
◆魚屋の常識を覆す日本一の鮮魚店
東京・文京区根津、下町観光の人気エリアのこの街に2007年に開店した「根津松本」は、町の魚屋の常識を覆すような店だ。
店のなかをのぞき込むと、驚かされるのがその値段。紅ざけ一切れ1800円、ブリの切り身2000円、キンキ6500円。スーパーはもちろん、デパートの高級鮮魚店でも考えられないくらいの値段設定だが、これが飛ぶように売れていく。
しかし、松本の店は決して富裕層のみを対象にした、お高くとまった店ではない。むしろその逆で、銀座の高級すし店や料亭などに行かなければ食べられない極上もののマグロやウニ、タイなどのネタを関係者が見れば驚くような薄利で店頭に出している。
その一方で、アジの開きやイワシの目刺しといった大衆魚も同じ扱いで並べられる。コンセプトはただ一つ、松本が選んだ「日本一」の魚だけを売ること。
人気の理由は、いい魚をそろえる目利きだけではない。根津松本では、仕入れた魚をそのまま店頭で売ることはなく、うろこや汚れ、ぬめり、小骨、スジを丁寧に取り、日本一の魚をより引き立たせる加工を施す。さらに、干物やカラスミなども自家製。客が望めば魚を焼き、煮つけ、蒸し、フライにまでするという。
「銀座のすし店と遜色ない、あるいはそれを超える魚がリーズナブルに食べられる」いつしか根津松本は、全国から魚好きたちが訪れる有名店となった。
◆「芸術品のような魚だけを売りたい」
松本の実家は、祖父の代から続く鮮魚店、父は「魚屋は芸術」という信念を持ち、品ぞろえや店づくり、また魚に対する考え方が一般的な街の魚屋とはかなり違っていたという。
そして父が他界した後、松本は「父のように第一線の、芸術品のような魚だけを売りたい」と周囲の反対を押し切り、根津に自分の理想とする鮮魚店を開く。松本は当時35歳だった。
しかし、「超」がつく一級の魚は、銀座の高級すし店や料理店に直行、街の鮮魚店に卸されることはまずない。松本は何度断られても諦めずに交渉を続け、ついに仕入れルートを手に入れる。
だが、良い魚は当然原価も高く、町の魚屋で買う客はまずいなかった。
「あんな高い店が根津で続くはずがない。あっという間につぶれる」周囲の懸念通り、誰も客が来ず、閑古鳥が鳴く日々が続く。経済的に追い詰められながらも、諦めずに続けたのは、松本にはある確信があったからだという。その真意とは?
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ここまでこられたのは、魚屋としての意地とプライドがあったからこそ。日本一といわれる最高級の魚を食しながら、日本一の魚屋の成功の秘訣に迫る。
※番組情報:『ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~』
2017年6月25日(日)午後6:00~午後6:54、BS朝日(※ゴルフ中継延長の際、放送休止の場合があります)