渋野日向子、笑顔の原点は“ある先輩”「こういうプロになりたい」
7月26日(日)、『石川遼×渋野日向子ドリームマッチ for CHARITY~みんなで笑顔に!~』を放送する。
石川遼と渋野日向子という、ゴルフ界のトッププロふたりがタッグを組み、新型コロナウイルスと闘い続ける医療従事者のため、また観戦の機会を失ったスポーツファンのため、そして未来のゴルフ界のため、スペシャルチャリティーマッチを実施。
感染拡大防止につとめるべく、安全面に配慮した新しいラウンド方式“ニューノーマルゴルフ”を提案し、真剣勝負を繰り広げる。
そしてチャリティーマッチ終了後には、石川と渋野がはじめて対談を行い、お互いの印象や渋野の笑顔の原点、コロナ禍でのゴルフについてなど、さまざまなトークを展開した。
本稿では、その対談の一部を抜粋し、紹介する。
◆渋野が刺激を受けた“笑顔の原点となった人物”
石川:「ラウンド中もちょっと話したけど、はじめて会ったのが2019年の11月。日向子が優勝した翌日のテレビマッチだったから…」
渋野:「そうですね、はい」
石川:「最初の印象は、本当に『キラキラしているな』と。朝6時くらいだったけど、すごくキラキラしていて『おぉ!すげえ!渋野さんだ』と思ったのが、俺の第一印象です」
渋野:「私は会えるのをすごく楽しみにしていたので、その日は寝るのが遅かったんですけど、目バッチリ!」
石川:「マジで?」
渋野:「はい、もう朝バシって開いて。遼さんに会った瞬間『拝み、拝み』でした」
石川:「いやいやいや。そんな、ですよ」
石川:「7歳年が違うということで、俺がプロゴルファーで先にいたわけだけど、どのあたりのイメージがある?」
渋野:「アマチュアで初優勝されたマンシングウェアの試合、あれはすごく印象に残っています。今でも覚えているくらい」
石川:「あのとき何歳?」
渋野:「8歳ですかね。ゴルフはじめて1、2年とか。『ハニカミ王子』と言われていて、その名前メッチャ覚えていましたもん」
石川:「そっかそっか、じゃあそのとき見ていたんだ!岡山での試合だったし、(渋野は)岡山出身だもんね」
渋野:「はい。見ていましたね」
石川:「刺激を受けた選手とかはいる?」
渋野:「刺激を受けた選手…?」
石川:「俺は宮里藍さんの試合を生で見たときとかに、すごい刺激は受けたっていうか。本当にキラキラしていて、『同じスポーツであそこまでのキラキラ感出せるんだ』って憧れたのを覚えている。子どものころ、試合は見に行ったりしていた?」
渋野:「してなかったんです。行ってないです」
石川:「俺もあまり行ったことないけど、たまたま2、3回プロの試合を見に行った。その1回がジャンボ(尾崎)さんを見に行って、もう1回が(宮里)藍さんを見たんだけど。やっぱり、あのふたりは全然違う感じがあった。ギャラリーもすごく引き連れていたし、『ギャラリー引き連れているのがかっこいいな』って思って、そこからプロになりたいなって思ったんだよね」
渋野:「私はなんだろう…刺激を受けたというか、『こういうプロになりたい』って思った方が吉田弓美子さんだったんですけど。優勝争いをしているのに、カメラに向かって笑顔で手を振ったりしていて、『こうやってテレビで見ている人も笑顔になれるようなプロになりたいな』と、そのときすごく思いました」
※吉田弓美子:神奈川県相模原市出身。10歳からゴルフを始め、2009年にプロ入り。ツアー通算7勝。生涯獲得賞金は4億円を超える
石川:「なるほど。そこにちょっとインスピレーションを受けて、今の渋野日向子のスタイルや雰囲気みたいなものが出来上がった感じ?」
渋野:「あると思います」
石川:「まあそうだよね、自分が憧れている感じや雰囲気って自然に自分に入っていくものだと思うから。それ、すごくおもしろい! いい話だね」
渋野:「はい」
石川:「俺はカメラの前でも試合中でも、笑顔っていうのは意識していないけど、日向子の場合は吉田さんの『いいな』って思った雰囲気をちゃんと取り入れている。すごいよね。このプレッシャーのなかで、いつもと変わらない感じでやっている。それはカメラ越しに伝わるから」
石川:「その笑顔や自分の雰囲気がもたらす効果って、どういうものがあると思っている? 逆に真顔でやることもできるわけじゃん? それとどう違う?」
渋野:「なんだろうな…笑うことによって多分自分の心を落ち着かせているんでしょうね。
ずっと集中してやっていたら多分持たないです、18ホール。私は何かしらに少し頼らないと、やっていけないかなって思っています」
石川:「そうだよね。打つ前にかけられる時間って30秒から40秒くらい。40秒が70回あるとして2800秒、約46分か。ラウンドが4時間半だから、3時間半くらいは自分が打ってない時間っていうことになる。だから、そこの時間の過ごし方ってすごく大事。そのときに何を考えるか、逆に何を考えないか。考えすぎても集中力がつづかなかったりするし」
石川:「悪いときほど『ガッ!』ってすごく考えちゃったり」
渋野:「そうなんですよね」
石川:「そうすると、本来集中すべき2800秒が増えていって負担になる」
渋野:「うん、たしかに」
石川:「その時間をリラックスして笑顔でいることが、もしかしたら結果につながっているのかもね」
渋野:「そうですね」
石川:「スイッチのオンとオフ。好きなお菓子を食べたり。それもリラックスにつながっているんだろうね」
渋野:「そうだと思います、私も」
石川:「食べること好きなんだ?」
渋野:「食べるの大好きです」
石川:「そりゃ、人間ならそうだよね」
渋野:「ははは!そうですね!」
石川:「まあ、人間離れしているゴルフを見せるから。ちょっと人間感があって安心しました(笑)」
◆無観客試合で「痛感した」こと
石川:「最近の試合もそうだけど、今後も無観客試合や今までと違った様式の試合がつづいていきそうだね。無観客という環境で、ファンの人たちに対して何ができて、何が難しいとか感じたことある?」
渋野:「結局、自分のプレーを画面越しに見てもらうわけですから、迫力は薄れちゃうと思うんですよね。そのなかでどれだけギャラリーの方や見てくださっているファンのみなさんによろこんでもらえるかっていうのは、なかなか難しいところだなとは思っちゃいますね」
石川:「そうだよね。何ができるんだろうって思っちゃうけど、純粋にプレーで魅せるしかないっていうところになってきたよね」
渋野:「そうですね」
石川:「無観客となってしまうと、『ブワー』と一体感のある“あの感じ”がしばらくはなさそうだけれど、そんなファンの人たちに向けて何かメッセージはありますか?」
渋野:「この間の『アース・モンダミンカップ』は予選落ちしてしまったんですけれども、予選落ちしたことによって、ギャラリーの方やファンのみなさんのありがたさをすごく痛感しました」
石川:「絶対そうだと思うんだよね」
渋野:「もうすっごく思いました」
石川:「すごくデカいと思うんだよね。とくに日向子もそうだし、俺も本当にギャラリーの人たちに『ワァー』っと乗せられていけるとこもある。俺は今このコロナのなかでの無観客試合っていうのはまだ経験したことがないから、より寂しさがあるだろうなって思う」
渋野:「そうですね。バーディーが入っても同じ組で回っている人たちの『ナイスバーディー』しか聞こえない。5人とか6人くらいの声しか聞こえないので、で調子に乗れないというか」
石川:「うん、うん!うん!」
渋野:「ギャラリーの方やファンの人たちに『ナイスバーディー』のすごい歓声を受けて、多分私はいい意味で調子に乗っていたので、乗りに乗っていたというか…それはすごく思いました」
石川:「そうだね。すごくいいパットが入っても『コトン』しか響かない。盛り上がりにはやっぱり欠けるところはある。でもまた時間が経てば、みんなで一体になって騒げるというか…」
渋野:「そうですね」
石川:「そういうときは、また必ず来るんで」
渋野:「うんうん!」
石川:「僕はそこまでに技術を磨いて、『うわ、なんかよくなったな』『変わったな』『レベルアップしたな』って思ってもらえるように、もう頑張るしかないなって」
渋野:「私も同じく、ですね」
※番組情報:『石川遼×渋野日向子ドリームマッチ for CHARITY~みんなで笑顔に!~』
2020年7月26日(日)午後1:55~3:20、テレビ朝日系24局(一部地域で放送時間が異なります)
※地上波では見せきれなかったスペシャル対談を含む完全版を、地上波放送終了後からABEMAで配信