セーリングの“帆”が医療用ガウンに! メイド・イン・ジャパンの技術で医療現場をサポート
テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。
現在は東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。
風を動力に進む2人乗りの船で順位を競う、セーリング470級。実は、1996年のアトランタオリンピック以降、6大会連続で金メダリストが使った帆は、ある日本企業が作っている。
その企業とは、横浜市金沢区にあるノースセール・ジャパン。世界シェアはなんと8割以上で、2018年世界選手権で優勝した吉田愛・吉岡美帆ペアもこの帆を愛用している。
◆熟練の技術が作る世界一の帆
世界から支持される、その特徴は完成度の高さ。
17枚の生地をつなぎ合わせ、どんな状態でも風をしっかりとつかめるようにデザインされている。
「とにかく誤差がでないように、出来上がってくるものがデザインと絶対に違わないように、熟練の職人さんたちががんばって作っています」と話すのは、同社の白石潤一郎さん。
その熟練の職人が働く工場を特別に見せてもらうことになった。
「何これ!?」と修造が思わず声をあげたのは、帆をつなぎ合わせる作業場。職人たちは“穴”の空いた作業台に入り、ミシンで縫い合わせて1枚の帆を作っていた。
この作業台で作られる帆の大きさは6メートル以上。巨大な帆を1ミリの狂いもなく、デザインと違わないように縫い上げていく。
◆セーリングの“帆”をあるものに活用
しかし、その技術をアピールする場だった東京オリンピックは、新型コロナウイルスの影響により延期。ノースセール・ジャパンでは、新型コロナウイルスの感染拡大のなか、帆を作るかたわらで“あるもの”を作っていた。
それは、なんと感染症対策のための医療用ガウン。帆と同じ素材を切り出し、ベテランの職人たちが気密性をしっかり保てるように作っていた。
厚さはわずか0.2ミリだが、海風に負けない頑丈な素材は医療用ガウンにも適していたのだ。
実際に生地を手にした修造は、「『ちょっとしたコロナの風なんか、受け付けねえぞ!』という強さを、この薄さのなかに感じます」と驚いた。
白石さんは「世界中の医療関係の物資が不足していることを、お医者さんのお客さんから聞いていました」と制作のきっかけを明かしたうえで、「『このガウンを着ると勇気づけられる』みたいな感想など、逆に応援のメールをいただいています」と語った。
新型コロナウイルスという荒波のなかで戦う、白石さんたち『ノースセール・ジャパン』のできる宣言は「荒波を乗り越えて、東京オリンピックでは最高の風をつかみます!」。
修造は「そうだ!最高の風つかんでこう!」とエールを送った。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系