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中国で10万人もの子どもたちが交流。日本人から学んだ「筆」で伝える励ましの想い

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して応援している。

東京・品川区にあるギャラリーで、「うわー!すごい絵がある!」と驚きの声をあげる修造。

彼の目に飛び込んできたのは、壁一面に貼られた巨大な絵の数々。よく見ると文字も書かれている。

この作品を作った山路智恵さんは、「これはいったい、何ですか?」と聞く修造に「絵手紙といいます」と答えた。

「絵手紙」とは、筆で文字だけでなく絵も描いて思いを伝える手紙のことで、日本独自の文化といわれる。山路さんは東京2020を盛り上げるため、4年間かけて巨大な絵手紙100枚に東京の風景を描き上げた。

東京のみなさんとか外国から来た方とかにも、東京の魅力や日本の魅力を絵手紙にのせて発信したい」と意気込む山路さん。

畳8畳分もある東京駅の絵手紙を見てみると「始発のベルが背中を押した」と書かれている。出発の起点でもある東京駅が人々を後押ししているように感じ、“始発のベル”と“人生の出発”とをかけたのだ。

東京大神宮の七夕祭りを描いた絵手紙には、「天の川を駆け抜ける季節 二人は今日出逢う」とある。織姫と彦星のように、そこに集まったたくさんの人々に、出会いを予感させている。

山路さんは、これらの作品を下書き無しの一発勝負で書いている。大きく緻密な作品を迷いなく仕上げているのだ。

◆「“筆の文化”で世界中の人たちと仲良く」

この巨大絵手紙で東京2020を盛り上げようと思ったきっかけは、1998年に開催された長野オリンピック。

大会に合わせて開かれた絵手紙の展覧会に参加したとき、8万枚を超える作品が国内外から寄せられた。山路さんはこのとき、オリンピックによって世界中の人と交流できることに大きく感動したという。

オリンピックが、スポーツの祭典でもあるんですけど、文化芸術の祭典でもあって、私はオリンピックで“筆の文化”で世界中の人たちと仲良くなるようなことができないかなと思いました

この経験がきっかけで、東京2020を絵手紙で盛り上げたいと思った山路さん。大会は延期となったものの、お花見で盛り上がる上野公園の絵手紙に関して、今あらためて気づかされることがあった。

今年の桜ではないんですけど、これを見ると、当たり前だなと思っていたこの風景がやっぱり、すごく貴重な物なんだなと今あらためて感じられました

何気ない、この平和な風景を戻したい、そうした思いは、絵手紙を通じて中国に広がっていた。

山路さんが中国で絵手紙教室をしたときの女の子が、武漢に絵手紙で励ましの絵手紙を送ったという。そこから、蘇州と武漢の学校とで絵手紙の交流が開始。これが瞬く間に中国中に広がり、なんと今は10万人もの子どもたちがやり取りしているのだとか。

山路智恵さんのできる宣言は「相手を思いあう絵手紙で世界中の心をつなげたい」。修造は「絵手紙で世界をひとつに!」と山路さんにエールを送った。

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系