北原里英、AKB48総選挙「よく耐えられた」選抜から外れたときの“心のよりどころ”
「AKB48」の元メンバーで「NGT48」ではキャプテンをつとめ、2018年に卒業した北原里英さん。
AKB48グループ所属時代から女優としても活動をはじめ、『ろくでなし BLUES』(日本テレビ系)、『家族ゲーム』(フジテレビ系)、映画『ジョーカーゲーム』、映画『サニー/32』、卒業後には『映画 としまえん』、『フルーツ宅配便』(テレビ東京系)、舞台「『新・幕末純情伝』FAKE NEWS」など、ドラマ、映画、舞台に多数出演。
6月19日(金)にはヒロイン役で出演している映画『HERO~2020~』が公開されたばかりの北原里英さんにインタビュー。
◆女優に憧れて、「AKB48」のオーディション?
北原さんは、小学生のとき、はじめて好きになったテレビ番組が『学校へ行こう!』(TBS系)で、そこからテレビの世界に憧れるようになったという。
「テレビに出るには色々な方法があるじゃないですか。私が小学生の頃は、『モーニング娘。』さんが大人気だったので、子どもながらにアイドルになるという選択肢が頭に浮かんでいたのですが、結構はやくに歌が苦手だということに気づいて(笑)。歌手は無理だろうなと思っていました。
そんななか、中学生のときに、友達とドラマの再現ごっこみたいなのをやってたんですよ。
それがすごく楽しくて。『こんな楽しいことを仕事にできたらいいな』というふうに感じて、『女優さんになりたいな』と思うようになりました」
-どんなドラマを再現されていたのですか?-
「『不信のとき~ウーマン・ウォーズ~』(フジテレビ系)という、ドロドロとした恋愛模様を描いているドラマです。
米倉涼子さんとか松下由樹さんが出演されていたそのドラマの再現をしていました」
-かなり大人のドラマをチョイスしたのですね-
「そうなんですよ。多分ああいうドロドロした感じが、子どもの私には新鮮だったのかもしれないです。再現をしていて、すごく楽しくて(笑)」
-AKB48に応募することになったのは?-
「もともとAKB48が好きだったんです。でも、アイドルになりたいとはそれまで思ったことはなくて…。
その頃、女優さんになりたいという夢ができて、結構いろんなオーディションを受けていたんですけど、全然ダメで。
そんななかで、『AKB48のオーディションがある』ってわかって。最終審査が歌とダンス審査だったので、本当に自信がなかったんですけど、思い出作りに受けることにしました。
そうしたら、まさかの合格で(笑)」
-ご両親は芸能界に入ることに関してはいかがでした?-
「すごく応援してくれていました。オーディションに応募したりするのも手伝ってくれましたし、私は愛知県出身なんですけど、名古屋でオーディションが行われることも多かったので、オーディション会場までの送り迎えをしてくれたりもしました。
ただ、AKB48に合格したときだけは、一応、合格後すぐ上京できる人が条件だったので、さすがに家族会議が開かれました。受かると思っていなかったので、『どうするのか?』って」
-まだ16歳、高校に入ったばかりですものね-
「はい。高校1年生でした。家族会議が開かれて、最初はお父さんが結構渋っていたんですけど、最終的には認めてくれて上京することになりました」
-ひとりで上京されたのですか?-
「そうです。最初は、AKB48の地方出身者はみんなマンションの同じ部屋に住んで、それから自分たちで部屋を見つけてという感じです」
2007年、「AKB48 第二回研究生(5期生)オーディション」に合格した北原さんは、2008年に愛知県から上京。
「4期生と5期生の地方出身者5人での生活でした。指原(莉乃)は同期で、しーちゃん(大家志津香)は4期生なので、一個先輩なんです。
5人で1か月間、同じ部屋に住んで、そこからみんな各々、自分で見つけたところに引っ越して行きました。
私もひとり暮らしをするつもりだったんですけど、いざひとりになると思ったら不安で…。
『私はどうしよう?』って考えていた時期に、しーちゃんがインフルエンザになったんですよ。
2月いっぱいで新しいところに引っ越さなくちゃいけないという、2月末に。それで、しーちゃんがインフルエンザになって、心配してやりとりしていた流れで『ちょっと一緒に住まない?』ってなって(笑)。ルームシェアして暮らすことになりました」
-まだ16歳で東京に出てきてわずか1か月ですものね-
「はい。まだ心細かったですね。2人で家を探したんですけど、今思うと、よく不動産屋さんが高校生と一緒に内見で回ってくれたなあって思います。
部屋を借りる契約をするときには、両親が来てくれたんですけれども、部屋を見つけるまでは私たちだけでなんとか頑張って探しました。それで部屋を借りて、2人で家賃や光熱費を半々で払って生活をしていました」
※北原里英プロフィル
1991年6月24日生まれ。愛知県出身。2007年、「AKB48 第二回研究生(5期生)オーディション」に合格。「AKB48」や「NGT48」のメンバーとして活動する傍ら、『みんな!エスパーだよ!番外編~エスパー、都へ行く~』(テレビ東京)、初主演映画『ジョーカーゲーム』(渡邊貴文監督)など、ドラマや映画で女優としても活躍。2018年にAKB48グループを卒業後、つかこうへいの名作舞台「『新・幕末純情伝』FAKE NEWS」で初舞台主演をつとめ、映画『サニー/32』(白石和彌監督)、『映画 としまえん』(高橋浩監督)に主演。2019年にヒロインを演じた舞台「『HERO』~2019夏~」の映画版「『HERO』~2020~」が公開中。
◆あの手この手の節約生活
2008年、AKB48の研究生としての生活がスタート。忙しい日々がはじまったという。
-AKB48の研究生としての生活は?-
「劇場公演だけしか仕事がなくて、研究生だったのでバックダンサーとかをやるんですけど、研究生が1番忙しかったんですよ。全部のチームの代役をやったりするので。だから、結構目まぐるしくて、ホームシックになる暇はなかったですね、私は」
-東京での生活は物価も高くていろいろ大変だったのでは?-
「そうですね。はじめは生活費を仕送りしてもらっていました。本当に両親の支えには感謝しています。
学校も転校して私立に入る必要があったので。お金もかかったろうし、すごく感謝しています。応援してくれて。
でも、一応ちゃんと節約は一生懸命していました。春雨ヌードルを10分くらいまって増やしたり。あれは増えていたのかな?(笑)
あと、もったいないので楽屋のお弁当をもち帰って食べたり、しーちゃんと同居していたときには、それぞれの部屋で付けるとクーラー代がもったいないということで、一緒の部屋にベッドを移して寝ていました」
-ブログを拝見するとお料理もいろいろ作ってらっしゃいますね-
「お料理は最近です。自粛期間中は時間もあったので、毎食自炊していました。それこそ、しーちゃんが料理上手だったので、一緒に住んでいたときによく作ってくれたりしていました」
―どのぐらいの期間、一緒に住んでいたのですか-
「2年ぐらいです。そのあとは別々に住むようになりましたが、一時期は同じマンションの隣同士で住んでいたこともありましたね(笑)」
-それは心強かったでしょうね-
「はい。なので、完全なひとり暮らしは4年ほど前くらいからな気がします」
◆AKB48選抜総選挙…「よく耐えられていたな」
2009年に第1回目が実施された「AKB48選抜総選挙」は、AKB48のシングルの選抜メンバーをファン投票によって決定するイベント。
-選抜総選挙は見ているだけでドキドキしますが、いかがでした?-
「今思うと、よく耐えられていたなって思います。しかも、それを普段から仲が良い仲間、同志とやっているわけじゃないですか」
-選抜総選挙などがあった後、お互い意識してギクシャクしたりすることはなかったですか?-
「今、思い返してみれば、やっぱり若いときは、ちょっとあったような気はします。でも、それによって仲が悪くなったりとか、そういうことはなかったです」
-見ていて本当に過酷だなって思いました-
「そうですね。私も心に傷を負ったっていうほどではないけれども、結果で泣いたこともあります」
-でも、北原さんの場合はアイドルではなく、女優になるという目標が心の支えになったのでは?-
「はい。それは大きかったです。だから、選抜から外れて、選挙もランクインできないことが2、3年あったんですけども、そのときは、『私は卒業してからが勝負だから』って自分に言い聞かせて、心のよりどころにしていました」
-それで実際にドラマのお仕事などもされていましたが、AKB48の活動をしながらドラマや映画の仕事をされるというのはいかがでした?-
「外で仕事をすると、逆にすごくAKB48のことも好きになれるんですよ。AKB48に戻ってきたときに安心するので。『帰る場所があるって、なんてすてきなんだ』と思えましたし、自分の糧(かて)になる経験でした。
外で、今までできなかったお仕事も経験できて、それで、帰ってきたときに改めて仲間の大切さを知るという感じで。
ただ、私は選挙期間中にそういった外での仕事が重なることが結構多くて。6月にドラマの撮影が入ることが多かったので、それはちょっと気にしました。
外の仕事をしていることが原因で順位を下げることはしたくなかったですし、そう思われることも避けたかったので。
でも、逆にその期間に選挙をやっていることによって、応援してもらえたりすることもあったので、プラス面もマイナス面もありという感じではありました」
2008年、10枚目のシングル『大声ダイヤモンド』ではじめて選抜メンバー入りをはたした北原さん。2015年には新潟を拠点とする姉妹グループ「NGT48」にキャプテンとして移籍することに。
次回は初主演映画『ジョーカーゲーム』の撮影裏話、AKB48グループ卒業、主演映画『サニー/32』の撮影エピソードなどを紹介。(津島令子)
※映画「『HERO』~2020~」シネ・リーブル池袋ほかにて公開中
配給:ベストブレーン
監督:西条みつとし
出演:廣瀬智紀、北原里英、小松準弥、松尾諭、斎藤工(友情出演)ほか
2年間限定の約束で始まった広樹(廣瀬智紀)と浅美(北原里英)の恋。広樹には、2年しか付き合うことができない″秘密″が…。