テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

俳優・矢野浩二が語る、『警視庁・捜査一課長』の魅力とお決まりシーンの裏側

2017年4月よりシーズン2が放送されている内藤剛志主演のドラマ『警視庁・捜査一課長』(毎週木曜日午後8時~)。

内藤演じるヒラから這い上がった“叩き上げ”の捜査一課長・大岩純一と刑事たちの熱い奮闘が描かれているこの『警視庁・捜査一課長』だが、そんな同作で警視庁捜査一課の「鑑識課」主任である武藤広樹(むとう・ひろき)を演じているのが、矢野浩二だ。

©警視庁・捜査一課長

武藤は、犯罪を人一倍憎む鑑識官。検視官としての能力も高く、現場検証において瞬時に状況を見極め、大岩らに事件解決への端緒を与える重要な存在だ。

そんな“武藤広樹”という人物を演じるうえでのエピソードについて、矢野浩二本人に話を聞いてみた。

 

◆事前リサーチで知った「鑑識」のこと

©警視庁・捜査一課長

――シーズン2もクライマックスに近づいていますが、今回あらためて“武藤”を演じてみていかがでしたか?

矢野:「実は今回、知り合いの紹介を頼って、クランクインの前に警視庁に行ったんですよ。そこで3時間くらいたっぷり話を聞いて、“鑑識”への理解を少しばかり深めることができました。

鑑識という立場は、刑事ドラマだと陰の存在のように描かれる場合が少なくないですよね。そして、ドラマによっては、『おい鑑識!そこちゃんとやれよ!』なんて刑事から命令されるようなシーンも見られますけど、実際にはそんなことありえないそうなんです。

鑑識と刑事とを比べると、どっちの立場が上か下かなんてことはなく、むしろほぼ互角の立場。“ちゃんとやれ!”ではなく、“鑑識さんお願いします”な関係なんですよ」

――それは知りませんでした。てっきり、組織的に上下の関係があるものだと思っていました。

矢野:「普通はそう認識してしまいますよね。でも今回、事前に警視庁で話を聞いてそういうことが分かったので、鑑識課の“主任”という立場もありますし、事件解決における重要な存在だという責任感をもって威風堂々とした姿で演じるように意識しています

©警視庁・捜査一課長

――シーズン1から髪型も変えられてますよね?

矢野:「そうなんですよ! カタチや表面的なものだけを変えてもあまり意味はないんですけど、まずカタチから変えてみるというのは意外と大事なことなので、キャラクター性から改めてきっちりとつくるためにまず髪型を変えてみました。そのうえで、捜査会議における“目つき”なんかも、キャラクター性を意識しながらつくりました」

 

◆大号令シーンの裏側

©警視庁・捜査一課長

次に、矢野浩二が考える『警視庁・捜査一課長』の魅力について聞いてみた。

――矢野さんは、客観的に見て、『警視庁・捜査一課長』というドラマの魅力はどこにあると思いますか?

矢野:「これは内藤剛志さんもおっしゃっていましたが、いろいろな刑事ドラマがあるなかで、『警視庁・捜査一課長』は非常にストレートで直球の刑事ドラマですよね。

“古臭いんちゃうか?”、“昭和のニオイがするなぁ”っていうところもあるんですけど、逆にいまだからこそ、そういう人情味あふれる物語を求め、そこに魅力を感じる人が多いんじゃないかなと思うんです。そして、その中でほのかに“スパイスがきいている”のもイイですよね」

――どんな「スパイス」ですか?

矢野:「コミカルな要素とか、お決まりのシーンとか、そういう“これがないと!”というスパイスですね。

たとえば、毎回捜査会議のラストには大岩一課長の大号令があって、その後に捜査員全員で大きく“はい!”と声を合わせる場面がありますけど、あれも常連のお客さんたちからすれば“待ってました!”となるお決まりのシーン。

あのシーンでは実は、小山田管理官役の金田明夫さんがみんなを和ませてるんですよ。みんなに向かって、『私が喋った後の“はい!”は、みなさん30%くらいのチカラで。そして、大岩一課長が喋った後の“はい!”の返事は、みなさん120%で言ってくださいね』って話すんです。それをみんなちゃんと受けて、遠慮なく区別して返事するんですね(笑)

その結果、“やるぞー!”という意気込みが伝わってくる、ドラマの中でも非常に燃えるシーンになっている。そしてそこに、毎回お客さんも付いてくる。お客さんもわかっていて付いてくるけど、それに対して“待ってました!”ってなるのが、真のエンターテイメントなんじゃないかなと思います

©警視庁・捜査一課長

このように、深い愛情をもって『警視庁・捜査一課長』について語ってくれた矢野浩二。最後に、同作における今後の目標について聞いてみた。

矢野:「もし来シーズンやそのまた次と続いていくならば、武藤が仕事に対して非常に真面目な人間だからこそ熱く語ってしまう“どうでもええわ”って思ううんちくとか、それを受けるときの小山田管理官(金田明夫)の“…だそうです”という反応とかが、ドラマを彩るお決まりの場面としてもっと定着して親しまれていくように頑張りたいですね」

また、中国で長年活躍し、“中国で最も有名な日本人俳優”とも称される矢野からは、こんな展望も。

あと、次があるならばぜひ、中国を登場させてほしいですね。中国がらみの事件や中国人の事件関係者が登場するものをぜひ! 中国の人たちはきっと大喜びしますよ!」

はたして、矢野のこのプランは実現するのか? 今後も『警視庁・捜査一課長』から目が離せない!

※番組情報:『警視庁・捜査一課長 season2』第9話
2017年6月15日(木)午後8:00~午後8:54、テレビ朝日系24局