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山口良一、欽ちゃんのおかげで美談に!“隠し妻”を週刊誌がスクープ「こんないい話じゃ…」

©テレビ朝日

『欽ドン!良い子悪い子普通の子』(フジテレビ系)のヨシオ役でブレークし、ワルオ役の西山浩司さん、フツオ役の長江健次さんとユニットを組んだ「イモ欽トリオ」のデビュー曲『ハイスクールララバイ』が大ヒットを記録。

歌番組にも引っ張りだこになった山口良一さん。私生活では『欽ドン!』がスタートする前に「劇団東京ヴォードヴィルショー」の先輩女優と結婚。番組関係者も芸能記者も周知のことだったが、週刊誌にスクープ記事として出てしまう。

©テレビ朝日

◆ヨシオは年齢不詳のキャラで

「イモ欽トリオ」のフツオ役の長江健次さんは16歳、ワルオ役の西山浩司さんは20歳。アイドル的な2人に対し、ヨシオ役の山口さんは26歳だったが、年齢不詳のおじさんキャラとして登場していた。

「2人はアイドルキャラですし、僕は欽ちゃんに、『お前いくつだよ!』って突っ込まれるというギャグもやっていたので、年齢不詳っていうのが売りでした。

イメージ的には欽ちゃんの四つか五つ下、35、6歳のイメージを持っている人が多かったみたいです」

-デビュー曲の『ハイスクールララバイ』も大ヒットしました。イントロのフリは山口さんと西山さんが遊んでやっていたのが採用されたそうですね-

「そうです。だって何回もイントロがかかるんですよ。で、パパパンとかってクラップ音が入っているので、西山君と僕は遊びでね(笑)。 健ちゃんは大変でしたよ。何回も歌わなきゃいけなかったから。

でも、僕たちは暇だったから、ふざけてそんなことをやっていたら、ディレクターの人が『それいいね。イントロの振りで使おう』って言われて」

-イントロのあの振りは印象的で面白かったですね-

「面白かったです。沢田研二さんにも褒められましたよ、ラジオで。『すばらしいね、あの振りは。プロじゃ思い付かないね』って言われて。お褒めの言葉としていただいておきましょうって(笑)」

-ちょうどテクノミュージックが流行(はや)りだした頃で-

「そう。だって松本隆さんと細野晴臣さんというすごいコンビなんですよ。だけど、みんなまさかあれほど売れるとは思ってなかったんですよね。

欽ちゃんとしても、レコードは出すけど、そこそこ売れてそんなには売れなくて、『なんだお前たち、だらしないね』っていう突っ込みにも使いたかったかもしれないですけどね(笑)」

-「イモ欽トリオ」というネーミングもユニークでした-

「そうですよね。当時は『たのきんトリオ』が人気だったから、欽ちゃんがジャニーさんに『イモ欽トリオって名付けていい?』ってお伺いをたてに行ったんですよ。そうしたら、ジャニーさんは快くOKしてくれたそうです」

-ジャニーさんすごいですね。そして大ヒットになり、歌番組にも出演することに-

「そうですね。『ザ・ベストテン』(TBS系)の1位は8週だったかな? 当時は毎週月曜日に渋谷公会堂で生放送の『ザ・トップテン』(日本テレビ系)という番組もあったんですよ。

僕たちは『欽ドン!』が月曜日に収録だったので、1回ぐらいしか渋谷公会堂には行けてないんですよ。

あとは全部、日テレのスタジオに行って、『堺(正章)さん、(榊原)郁恵ちゃん、今週もすみません』って言って、VTRを撮っていました。

『ザ・ベストテン』は生放送に出られましたけど、歌に関して僕たちは素人なので、うれしいんだけど、1位だとずっと控え室にいなきゃいけないんですよ。

それで、最後に1位のところで呼び出されて登場して歌ったら、『はい、ポーズ』で終わり。番組の終わりなんですよ。

僕たちはいろんなアイドルを間近で見たいんですよ。だから、いつも楽屋でモニターを見ていて『つまんないね』て言っていました(笑)。

そういう意味では2曲目に出した『ティアドロップ探偵団』は10位が4週間ぐらい続いたのかな? そっちの方が楽しかったですよ。全部見られてね」

-ものすごく売れて戸惑いはなかったですか?-

「そうですね。こんなはずはない、こんなことが長く続くわけがないという感じでした。

自分の居場所としてはちょっとくすぐったいっていうか…。

だから、うちの妻も『こんなことが長く続くわけはない』って言って、会社勤めはやめていませんでした。まだ働いていましたね(笑)」

※山口良一プロフィル
1955年3月27日生まれ。広島県出身。1974年、19歳のときに上京。1979年、「劇団ヴォードヴィルショー」に入団。1981年、『欽ドン!良い子悪い子普通の子』にヨシオ役で出演。舞台を中心に俳優として、ドラマ、映画に多数出演。2018年には第4回日本健康マスター検定のベーシック・コースに挑戦して合格。『クイズところ変れば!?』(テレビ東京系)、『噂の!東京マガジン』や旅番組のリポーター、ラジオのパーソナリティー、落語の高座もつとめるなどマルチな才能を発揮している。

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◆結婚していることが週刊誌のスクープ記事に

年齢不詳、結婚しているのか独身なのかも不明をいう謎のおじさんキャラだったヨシオだが、ある日、結婚していることが週刊誌に掲載されてしまう。

「番組のなかで欽ちゃんが『ヨシオは結婚しているの?』なんてギャグとして使ったりとかしてたんですよ。もちろん番組のスタッフも雑誌社の皆さんもご存じでしたけど、『欽ちゃんがせっかくギャグで使っているんだから結婚していることはナイショにしようよ、そうだね』っていう感じだったんですよね。

だけど『週刊平凡』さんがお書きになったので、1社だけスクープしたという形になってしまったことに、『申し訳ない』って当時の欽ちゃんのマネジャーさんが、スポーツ新聞とか雑誌社を手配して。

記者さんはみんな知っていたのに、欽ちゃんのために書かないでくれていたわけですからね。

それで、週刊誌報道があった後、『ザ・ベストテン』に最初に出たときは、僕が旅公演で名古屋に行っていたので、CBC(中部日本放送)の玄関からの中継だったんですよ。

だから、うちの奥さんにも名古屋に来てもらって、名古屋で緊急記者会見みたいなことになって。そこで『ヨシオに隠し妻がいた!』的な感じで(笑)。

『週刊平凡』さんの記事も暴露記事というよりも、ものすごく美談として書かれてあって。

でも、書いてあることの7割ぐらいは、『いや、そういうことじゃないなあ』っていう感じでしたけどね(笑)。『こんなにいい話じゃないよ』って」

-昔はそういう感じでしたね-

「そう。悪意があるという記事じゃなくて、好意的というか。今は何かあると袋叩きのような感じですけど、あの頃は、良く書いてくれたんです。むしろうちの奥さんが陰で支えている的な話に仕立ててあって。

そこはやっぱり欽ちゃんへの忖度(そんたく)じゃないですか(笑)。欽ちゃんを裏切るというか、欽ちゃんに背いて記事を出すからには、そんなに悪意的な記事は出せないというのもあったんじゃないですか。だから、やっぱりそういうところは欽ちゃんのおかげですよね」

-公になってほっとしたところもあったのでは?-

「そうですね。それまでは『結婚しているの?』って聞かれても、モゴモゴとしていたんですけど、『そうです、ありがとうございます』って、ちゃんと言えるようになったのは良かったです」

-萩本さんの前ではやはり緊張しました?-

「今でももちろん微妙な緊張感は大将の前に出るとありますけど、あの当時は、緊張してるんだけど、収録が始まっちゃうと、あまりそういうことは考えてなかったですね。

だから多分失礼なことを言うことも多々あるんでしょうけども、そこは舞台上では何を言ってもいいと、僕はその当時、なんとなくそう思っていたんでしょうね。

それはヴォードヴィルで2年間やっていて、稽古で芝居を作っている間に、先輩方にも失礼なことを多分言ったりしていたと思うんですけど、そういう下地があったのかもしれないですね。

遠慮とかを考えている余裕がないっていうのが良いかもしれない。ネタが終わって、『〇〇ですよ、お父さん』って言って、ふすまのところで一言言って閉めて去るというのがパターンだったんですけど、ネタが終わって後ろを向いてふすまに行くまでの間『何を言えば良いんだ?』って、ものすごく頭がフル回転。

自分の言っていること、お客さんの反応、ネタ、欽ちゃんの返し、それを全部集中して、何か言われたら、瞬時に何か言わなきゃいけないって集中しているから、遠慮とか怖いというのはなかったんでしょうね。

用意していたものを使うのか、いやいやこれは今の欽ちゃんの言葉を拾ったほうがいいのかみたいな感じでフル回転でしたね。

言葉なのか、目だけなのか、動きだけなのか、考えても結論が出ないから、『べー』っていうときだけのこともありました。でも、何かやらないといけない。何もしないと後で怒られるというか、出たら何かをやるというのは言われていたので、何かしらやっていました」

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◆「イモ欽トリオ」が復活?

-西山浩司さんと長江健次さんと「イモ欽トリオ」としてライブもされていますね-

「5年ぐらい前から年に1回やっているんですよ。1月に長江君が神戸で10日間ぐらいライブをやるうちの1日を『イモ欽デー』にしてもらって。

あれはあれで楽しいですね。もうこの3年ぐらいは『イモ欽トリオ』のアルバムの曲しかやらないから、曲はもうほぼ同じなんですよ、毎回(笑)。

しゃべりで変化をみたいな感じで。歌とかも楽しいですよね。ライブ、生でお客さんの前でやるというのはやっぱり楽しい。3人で昔の話をしたりね(笑)」

-欽ちゃんファミリーの皆さんはチームワークが良いですね。去年は松居直美さんと『極上空間』(BS朝日)でドライブをされた後、西山さんのお店「皆月」にも行かれて-

「行きました。久しぶりにお仕事とかプライベートで会うと、昔一緒にやっていた人っていうのはいいですね。昔の感覚にすぐ戻れるんですよ。

一緒に柴又にも行きましたしね。僕は寅さんの大ファンで、娘に“さくら”という名前を付けたくらいですから。それに直美ちゃんも僕も『男はつらいよ』に出演したという共通点もありますしね。お団子も美味しかったなあ。

直美ちゃんも僕もお互いにいい年になってるんだけど、やっぱり、すぐにあの頃の中学生だった直美ちゃんを思い出すし、同窓会みたいで楽しかったですね。西山君と『ハイスクールララバイ』のイントロのパフォーマンスもやったら、直美ちゃんがすごい喜んでくれてうれしかったですね(笑)」

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◆劇団には在籍41年目、『噂の!東京マガジン』は放送31年目

俳優、歌手、リポーター、司会者、ラジオパーソナリティー、落語家…さまざまな顔を持つ山口さん。佐藤B作さん率いる「劇団東京ヴォードヴィルショー」に入団して41年目。

「41年もいるんですけど、ハッと思ったのは、役者に向いてないんじゃないかって。

こう言うと語弊(ごへい)があるんですけれども、向いてる向いてないって言うよりも、他の役者さんほど僕は演劇にときめいていない気がするんですよね。

普通役者さんてお芝居が大好きじゃないですか。演じるということが。でも、僕がヴォードヴィルに入ったのは、演劇が好きで入ったんじゃないなと思ったんですよ。

当時のヴォードヴィルって、演劇じゃなくてもうバカなんですよ。バカバカしいことをみんなでやっているのがひとつのお話になっている。だから演劇ではない。それが好きで入っている。

で、基本は落語家志望の少年でしょう? だから面白い、楽しいことが好きなの。面白い、楽しいことであれば、演劇でも映画でもラジオでも落語でも歌でも何でもいいんです。

だから難しい演劇とかをやりたいとは一切思わない。社会派のメッセージ性たっぷりのというのは、やりたいとは思わないんだけど、役者さんはよく『メッセージとか、自分が訴えたいものがあるから俺は芝居をやるんだ』って言うじゃない?

僕は自分がやることは、あくまでも娯楽でいいと思っているんですよね。だから自分も楽しく、それで見ている方が楽しくて喜んでもらえるものをやっていきたいと思っているんですよね」

-毎年コンスタントに舞台に出演されていますが4月の舞台は?-

「『更地SELECT~SAKURA IV』という、役者の大人コントというか。イメージ的には、短い喜劇っていうのかな? 7、8分の喜劇の短編集みたいな感じですかね。

コントって言うと、普通打ち合わせをして役を決めて、さあ行こうみたいな感じですけど、1カ月間みっちり稽古をして、間、首が振り向くスピード、そこまで演出家がチェックして本番に臨むという『更地』シリーズ。

1本が短いというのが良いのと、笑いの方向性というか、それが同じというか、みんなに楽しんでもらおうみたいなところがちゃんとあるので大丈夫なんです。そういうのがないと厳しいけど。

後輩の大森博がプロデュース・演出なんですけど、彼は欽ちゃんの舞台・明治座に一緒に出たときも欽ちゃんに本を書かせてもらっていたし、それで欽ちゃんイズムが入っている人なので、言っていることがわかるんですよ。納得できる。だからできるんです」

-劇団もですが、『噂の!東京マガジン』も長く続いている長寿番組ですね-

「そうですね。31年になります。選ばれた基準が僕のなかではよくわからない。10月から始まったんですけど、僕はたまたま舞台があったので11月からしか出られない。それでもいいっていうことになって。

それまでそんなに情報番組的なことはやってなかったんです。クイズ番組の司会はやっていたんですけどね。

だから、最初は難しかったですね。自分が担当のときにはやっぱり。軽いテーマのときと思いテーマのときがあるので。

数字がいっぱい出てきてお役人さんのところに行って難しい話を聞かなきゃいけないようなときは、ちょっと自分の頭のなかでもよくわからなかったりね」

-始まったときにここまで長く続くという感じは?-

「いやいや、全然思わなかったです。平成元年からですからね。それはその当時のプロデューサーさんも森本(毅郎)さんも、3年続けばいいかぐらいなレベルだったらしいですよ。

だって今でこそ午後1時からの放送ですけど、始まった当初は日曜の朝10時。日曜の朝10時からの1時間というのは再放送だったり、裏で『笑っていいとも!』をやっていたりして、難しい時間帯だったんです。

だから、そんなに長寿番組になろうなんて誰1人思ってなかったと思うんですよね。

今ではもうみんな高齢者になっちゃって(笑)」

-皆さん息も合っていてホッとしますよね-

「おじさんたちがね。すごいのはね、番組の収録が終わったらすぐ帰ればいいのに、1時間半位控え室でずっとしゃべっているんですよ。

控え室も個室じゃないんです。大部屋なんです。みんな一緒。森本さんはちょっと奥のスペースがあるんですけど、僕たちはいつも大テーブルがあって、大体座る席も決まっているんです。そこにいてその周辺で着替えている。

なっちゃん(小島奈津子)は女性ですからさすがに個室ですけど、そういう感じなので、収録が終わったあともそこに座って、1時間半ぐらいみんなろくでもない話とか、ときどき今日の反省みたいなこともやるんですけど、ほとんど馬鹿な話。

今のこの時代の話もしますし、森本さんのNHK時代の話だったりとか、それぞれの話だったりとかを1時間半ぐらい。

いい年をしたおっさんたちが、酒も飲まず、話をするということでね(笑)。でも、それがまた楽しいですね」

ここ数年は舞台の仕事がかなり多くなったものの、スケジュールは『噂の!東京マガジン』を優先しているそう。芸能界屈指のバイク好きとしても知られている山口さん。65歳の誕生日を迎えたとは見えない若々しい姿でバイクを颯爽と乗りこなし、舞台にテレビと忙しい日々を送っている。(津島令子)

※大森カンパニープロデュース『更地SELECT~SAKURA IV
4月17日(金)~4月26日(日)下北沢 小劇場B1
演出:大森博
出演:山口良一 ラサール石井 大森ヒロシ 本間剛 石倉良信 森内翔大 かんのひとみ遠山景織子 鈴木ゆか 依里
http://ameblo.jp/hiroshi-omori/