迫る今年の「ル・マン」!トヨタ、テストデーでは最速 ライバル・ポルシェは?
今年2017年は6月17日~18日にかけて開催される「ル・マン24時間レース」(通称:ル・マン)。
世界三大レースのひとつと呼ばれ、1923年の初開催以来、途中何度か開催できないこともあったが、今年で85回目の開催を迎える。
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5月20日よりテレビ朝日で毎週土曜日に放送中の番組『最後のピース 24Hours of Le Mans』は、トヨタ自動車による「ル・マン24時間レース」挑戦を追いかけ紹介する番組だ。全6回の放送で、初勝利に必要な“最後のピース”を探っていく。
6月10日(土)の午後11時59分から放送された同番組の第4回では、テストデーでのトヨタの様子を追った。
ル・マンでは、6月17日現地時間午後3時スタートの本番に向けたテストが、いよいよ実際にレースが開催されるサルト・サーキットで始まった。もちろん、最大のライバルであるポルシェも参加している。
まずテストデーの結果は、以下の通り。
1位:Toyota Gazoo Racing 7号車 3分18秒132
2位:Toyota Gazoo Racing 8号車 3分19秒290
3位:Toyota Gazoo Racing 9号車 3分21秒455
4位:Porsche LMP Team 2号車 3分21秒512
5位:Porsche LMP Team 1号車 3分22秒100
トヨタのなかで唯一予選仕様で走行した7号車が、3分18秒132で最速を記録。このタイムは、昨年の予選最速タイムだった3分19秒733を上回っている。
じつは2016年と比較すると、2017年仕様のマシンは、「エアロダイナミクス」といわれる空力部分に影響が大きいパーツにさらに厳しい規制が加わり、タイムが落ちるものと予想されていた。それが大幅にタイムアップを果たしたことで、関係者のあいだでもマシン開発の進化の早さに驚きの反応があった。
この結果に、トヨタのパワーユニット開発総責任者の村田久武氏は、「自分達のやってきたこと(開発の方向性)が間違ってなかったことが確認できました」と自信を見せる。
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しかしライバルのポルシェ陣営は、トヨタの速さに驚きつつも、彼らは淡々と本番に向けたテストをこなしており、その本当のチカラはまだ見せていない。
「このまま(ポルシェが)黙ってるわけないと思いますよ」と語る村田氏の言葉は、ル・マン24時間レースの厳しさを何度も味わったからこそ出てきた本心だろう。
ポルシェという王者がライバルとして存在しているからこそ、トヨタもその壁を超えるべく更なる努力を続けている。
<文/田口浩次(モータージャーナリスト)>
※番組情報:『最後のピース24 Hours of Le Mans』
【毎週土曜】深夜23:59~24:05放送