「生々しいキス!」に騒然!? 岡本夏美が感じる本能的な愛
毎週土曜日の深夜3時に放送中の連続ドラマ『鈍色の箱の中で』。本作は、同じ分譲マンションに住む5人の幼なじみの高校生たちの初恋をテーマにした切なくも危険な偏愛ラブストーリー。毎話登場するキスシーン、“全員片想い”のストーリー展開から目が離せない。
中心となる5人の高校生のひとり、高鳥あおい(たかとりあおい)を演じるのは、役者だけでなくモデルやタレントとしても活躍している岡本夏美だ。
◆SNSのキス動画に揺れた岡本ファミリー
ーー放送前にSNSで発信したキス動画の反響はすごかったですね。
岡本夏美(以下、岡本):動画を公開するときは緊張しました。ファンの方や、フォローしてくださっている方がどう思うんだろうって。でもちゃんとザワついてくださったので、よしよし、って(笑)。
新しい取り組みってワクワクするし、SNSや動画配信の活用も、この作品が盛り上がるひとつの要素として心強く思っています。キス動画はキャスト発表前のサプライズだったので、見ている人を困惑させて申し訳ない気持ちと、受け入れてくれるみなさんの温かさに感謝しながらやっていました。このドラマが多くの方に広まればいいな、楽しんでいただければいいなって。
ーー岡本さんのキス動画は特にリアリティーがありましたね。
岡本:みんなが監視カメラっていう設定で撮っていたのに、私の動画だけ、インスタのストーリーかのようなリアルな映像で。出演者同士でも「生々しいよね」なんて言っていました。でもそれがすごく反響を呼んで。
そういうきっかけから、作品がどんどん広まればいいな、っていうのは思いましたね。家族はびっくりしていましたけど。
ーーご家族にお話はしていなかったんですか?
岡本:私、基本的には家族になにも言わないんです。今回も、「ドラマを撮っている」ぐらいしか伝えていなくて。
その状況でキス動画がアップされたんですが、ちょうど親戚も集まっているタイミングで発覚しちゃったんです。親戚のおばちゃんとかお兄さんが、どうしたどうした、って。「夏美がグレたぞ」って大騒ぎ(笑)。特に祖母には刺激が強かったみたいです。母には「相手は誰だ?」って言われちゃうし。まあ、家族も楽しんでくれたようでよかったです。
◆愛にはいろんな色があるんだなって
ーーキスだけでなく恋愛模様に引き込まれるドラマですよね。
岡本:みんなすごく人間的で、愛って言う感情の流れにのって、本能的に、人間的に動いているキャラクターたちなので、それがどう動いていくかっていうのが、このドラマのみどころだと思います。
それから、恋愛とはまた違う愛もたくさん描かれている。恋人、友人だけでなく、人間愛とか家族愛みたいなものも含めてすごく大きな愛情っていうものが、根底にあるドラマだと思いますね。
高校生ならではの恋愛の部分はもちろん、大人でも共感しやすい恋愛ドラマだなって原作を読んだときから感じていたんです。それが、撮影に入っていく段階で、5人で、どういう化学反応が起きるかがすごく楽しくて、あおいちゃんを演じることも楽しめました。
ーーあおい役をやることで特に感じたことはありますか?
岡本:愛情の種類が、対する人によってこんなに変わっていくんだ、っていうのは、あおい役を通して知りました。
なんとなく、恋愛で特別に好きな人以外にむけてはみんな同じ愛の矢印をむけている、って思ったりしていたんです。だけど今回、こんなに種類が違うんだな、愛情の色が違うんだな、っていうのを学びました。
恋愛での愛はもちろん、友人への愛、家族みたいに普段から一緒にいる人への愛。私生活だと少し鈍感になりそうな、当たり前になりそうな部分が、芝居を通して私のなかに入ってきて。苦しいことや悲しいことなどいろいろな感情も、お芝居のなかで感じさせてもらっています。
そういう気持ちを感じるたびに、お芝居をやれていてよかったなって思います。お芝居をしていると、役から得る学びがすごく多い。
◆いろいろあっても笑顔で乗りきる
ーー役に共感できる部分はありましたか?
岡本:「笑えば自分の弱さが隠せる」って思っているところが似ていると思いましたね。ほんとはバレているし、大人には見透かされているんだってことも、わかってはいるんです。でも、笑っていれば隠せるって思っちゃう。そこがなんだか似ている気がして。
いろいろあっても笑顔で乗り切ろう、っていうのがあるのかな。私、家族の前で泣くことが、ほぼないんです。別に強がっているわけではないんですけど。
なんだかそれは「見せなくていい自分」なんじゃないかなって。そういうところが役柄と似ているなって思っていたんです。でもストーリーが進むにつれて、あおいの弱さがなくなって、人として強くなっているのを感じるんですよ。私も、同じように強くなれたらいいなあ。
ーー逆に、自分とは違うと感じる部分はありましたか?
岡本:あおいは、とても寂しがり屋だなって思いました。あおいって、常に誰かといたいタイプ。誰かと一緒に時間を共有することで寂しさを紛らわすことができる子なんですよ。それが私にあまりない。ひとりでいる時間もかなり好きです。
でも、自分と違うから演じるのが難しいっていうことはないですね。自分のどこかにある「寂しい」っていう感情を引き寄せて、あおいになっていく。自分の要素のなかから役ができているので、自分が演じることであおいがどうなっていくのかな、っていうのは演じていて楽しいです。
◆やるときはやる。やらないときはなんにもやらない!
ーーひとりの時間はどんな風に過ごすのが好きですか?
岡本:やりたいことをやる。または何もやらない(笑)。
そういう自分の時間が最高ですね。ほんとに、なんにもやらないときはとことんなんにもやらない。携帯も見ないぐらいの勢いです。
何かやる!とか、どこかに行く!ってなったら、ひとりでも抵抗なく動けるし、満喫できます。ひとりを楽しめるタイプなんですよね。
ーー最近の楽しみは何かありますか?
岡本:映画を観まくっています。ちょっと気になるものとか、以前から観たかったものを片っ端から観尽くすのが楽しい。今年になってから、空いた時間はずっと映画を観ていますね。1日3本とか4本とか観ていて、自分でもちょっとおかしくなっちゃったかなって心配になるほどのめり込んでいます。
でも、それで自分が満たされているなあって感じる。すごく楽しいって感じているので、とりあえずこのモードが切れるまではとことん映画を観まくります!
◇
主要メンバー5人そろったインタビューでも、絶妙なタイミングでコメントを入れたり、撮影現場でもみんなをつなぐ「仲介役」だったと言われていた岡本さん。場を和ませる笑顔は、役柄だけでなく普段から放たれているものだった。
<構成・文/塚はなこ>
※番組情報:360°ドラマ『鈍色の箱の中で』
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