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男子顔負けの4回転、完璧な演技構成…“異なる武器”で魅せる、ハイレベルな戦いに注目<「GPファイナル」女子展望>

12月5日(木)からイタリアのトリノで開催されている「GPファイナル」。

女子は、全6戦をすべてさらったシニア初挑戦の3名に加え、アリーナ・ザギトワを加えたロシア4名と日本の紀平梨花、アメリカのブレディ・テネルの6名が出場する。

◆注目のロシア勢2選手が持つ“異なる武器”

出場する女子選手の中では、16歳のアリョーナ・コストルナヤと、15歳のアレクサンドラ・トゥルソワが少しリードする形になっている。

4回転の威力のすごさを、改めて見せつけたのはトゥルソワだった。「カナダ大会」で、SPは3位だったが、FSは男子顔負けの3種類4本の4回転を入れた構成に挑戦。

写真:アフロ

最初の4回転サルコウこそ転倒したが、それでも基礎点が高くなる後半に入れた4回転トウループからの3連続ジャンプや、3回転ルッツ+3回転ループの得点源となるジャンプもきっちり跳び、世界歴代最高の166・62点を獲得した。

合計も世界最高の241・02点にして優勝と、けた違いの強さを見せつけた。

トゥルソワの弱点は4回転を使えないSPで、3回転ルッツ+3回転ループを後半に持ってくる最大限の構成でも、74点台に止まっていることだ。

それに対してコストルナヤは、4回転はないが、GPシリーズからはトリプルアクセルをSPにも入れ、その効果をしっかり生かしている。

写真:アフロ

初挑戦だった「フランス大会」ではトリプルアクセルが回転不足になり、次の3回転ルッツもエッジの使い方が明瞭ではないと判定されて76・55点に止まったが、2戦目の「NHK杯」ではしっかり決めるノーミスの滑りで、紀平が「世界国別対抗戦」で出した世界最高得点を更新する85・04点を出している。

コストルナヤの強みは、ジュニア時代から難しいつなぎも入れていたように、初シーズンにもかかわらず、演技構成点がシニアのトップ選手と同じくらいの評価をされていることだ。

「NHK杯」のFSでは、2本目のトリプルアクセルが回転不足と判定されたが、その強みを生かして154・96点を獲得し、合計はトゥルソワに迫る240・00点にして、トゥルソワに対抗する強力なライバルとして浮上してきた。

◆紀平、優勝争いのカギとなる“修正”

だが、コストルナヤが持っている強みは、紀平も持っているものだ。

写真:アフロ

「カナダ大会」と「NHK杯」はともに、トゥルソワやコストルナヤに次ぐ2位だったが、得点はともに230点台と安定している。

また、今季は左足首を痛めていて3回転ルッツを跳べないために、SPの後半のジャンプは基礎点が1・1点低い3回転ループにしているが、それでも「カナダ大会」では81・36点を出している。

さらに、FSも「NHK杯」では後半の3回転フリップ+3回転トウループが回転不足と判定されたが、コストルナヤには3・01点及ばないだけの151・95点だった。

FSも3回転ルッツを入れられない状態だが、そのミスがなければあと3点は上乗せできた計算になる。SPももう少しプログラムとして滑り込めば、余裕を持って滑れるようになり、各要素のGOE(出来栄え点)ももう少し伸ばせる余地もある。

その修正が出来れば、合計でも「NHK杯」のコストルナヤには迫れる計算になる。

「GPファイナル」はこれまでの大会とは違い、初挑戦の選手にとっては、シニアの初タイトルに挑戦する大会になり、プレッシャーもかかるはず。その中でミスが出てくるようなら、紀平は現在の構成でも完璧な滑りをすれば、優勝争いに加われる。

さらに紀平の場合は、FSでは4回転サルコウを入れる可能性もある。「NHK杯」でも当初は入れる予定だったが、「GPファイナル」進出を確実にするために冒頭のサルコウを3回転に抑えていた。

4回転にすれば基礎点だけでも5・40点高くなる。SPを完璧な滑りで終えられれば、公式練習で4回転サルコウを見せるだけで、他の選手にもプレッシャーをかけられるはず。

大技に挑戦したいというのが彼女の目標でもあるだろうが、それを戦略のひとつとして使える優位さも、紀平は持っているのだ。

◆ザギトワ、女王の意地を見せつけられるか

他の選手を見れば、「アメリカ大会」と「中国大会」を連勝して真っ先に「GPファイナル」進出を決めたアンナ・シェルバコワも、FSでは4回転ルッツを2本持っていて怖い存在だが、彼女の場合はまだミスが多く、最高得点はアメリカ大会の227・76点に止まっている。

さらに「中国大会」では、4回転と3回転を含めたルッツは、SPとFSの5本がすべてエッジの使い方が明瞭ではない、という注意を受けている。更なる高得点のためには、そういった技術的課題の克服も必要だ。

それを克服してくれば表彰台の可能性も高くなるが、どこまで修正できるかが大きなカギだ。

さらに「NHK杯」のフリーでは、意地の滑りを見せて逆転3位になっているアリーナ・ザギトワ(ロシア)が、五輪と世界選手権の女王としてどこまで自分の滑りを取り戻してくるかも見どころになる。<文/折山淑美>

写真:アフロ

番組情報:『フィギュアスケートグランプリファイナル2019
男子ショート:12月6日(金)夜8:00〜 テレビ朝日系列
女子ショート・男子フリー:12月7日(土)夜7:54〜 テレビ朝日系列
女子フリー・エキシビション:12月8日(日)夜9:00〜 テレビ朝日系列

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