テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

ジャンプだけではない、フィギュアスケートの魅力。坂本花織が鈴木明子氏から学んだ“真の表現力”

現地時間の11月1日(金)から始まる、フィギュアスケートの「グランプリシリーズ・フランス大会」。

女子シングルの注目は、シニア3年目の坂本花織(19歳)だ。

写真:アフロ

坂本は2019年7月、日本のトップスケーターが集ったシニア強化合宿で、フリーの曲かけ練習を何度も繰り返していた。

「プログラムに慣れるのに必死で、すごく追い込まれている状態です」(坂本)

シニア1年目で、平昌五輪に出場し、6位入賞。

2年目の昨季は、ダイナミックなジャンプを武器に、「グランプリファイナル」に初めて進出し、「全日本選手権」では初優勝を果たすなど、堂々たる成績を残してきた。

それでもフィギュアスケーターとして、まだまだ足りない部分があるという。

「(海外の強豪選手は)音楽と振り付けがあっているなと思います。見ていても、すごく目を引くプログラムを海外の選手はしているので、それが自分にはないところだなと」(坂本)

音楽と振り付けの同調性、そしてプログラムを魅力的に見せるための表現力。その2つを兼ね備えていて、坂本が目標としている選手が、平昌五輪で銀メダルを獲得したロシアのエフゲニア・メドベージェワだ。

「表情も、動きも音の取り方も全部すごいなと。しっかりはまっていて、気持ちが良いのであれが理想だなと思います」(坂本)

音楽と振付を見事に融合させ、見るものをその世界観に引き込んでいく――そんなメドベージェワの演技を平昌五輪で目の当たりにし、自分に足りないものを痛感したのだ。

◆難度の高いプログラム、思うようにいかず涙も…

迎える新たなシーズン、坂本はその“弱点”を克服しようとあえて難しいプログラムに挑戦している。

FSの曲に選んだのは、映画「マトリックス」の音楽だ。

世界的なヒットを記録したSFアクション映画で、主演のキアヌ・リーブスが身体をのけぞらす、あのシーンはお馴染みだ。坂本も、演技の中で披露している。

©テレビ朝日

このプログラムの特徴は、4分間の中で目まぐるしく動く、複雑な振付け。激しい動きが続くため、これまで以上にスタミナを要する、難度の高いプログラムだ。

スタミナが続かないため、1つ1つの振付が疎かとなり、音楽との同調性も欠けていく。思うようにいかず、もどかしさに涙があふれる場面もあった。

「去年の柔らかいイメージから、全然違うかっこいい曲になったので、そのギャップが大変です」(坂本)

◆鈴木明子氏から学んだ“表現力”

そこで9月、坂本は課題克服のヒントを得ようと、五輪2大会連続出場を果たした、鈴木明子氏のもとを訪ねた。

©テレビ朝日

洗練された表現力を武器に、しっとりとしたプログラムから激しいプログラムまで、幅広いジャンルを魅力的に表現してきた鈴木氏は、坂本が幼い頃から憧れていた存在だった。

そんな鈴木氏が真っ先に指摘したのが、曲調が変わり体力的にもピークを迎える、演技終盤の振付。

©テレビ朝日

動きの1つ1つ全てで力が入っているため、単調になっているというのだ。

「全部大きく、全部強くじゃなく、途中で抜くからこそ、観ている人も盛り上がる。動きを一回抑えてから畳み掛けることで、見せたいところを目立たせることができると思います」(鈴木氏)

アップテンポな振り付けの中で、あえてゆっくりと動かし、時には動きを止めることで、メリハリが出るうえ、もうひとつの効果も生むという。

「動きを止めることで、(息を)吐ける。呼吸をするタイミングを、表現の中に入れたらすごく楽になると思います」(鈴木氏)

演技の中で、ナチュラルに呼吸を整えるパートを作ることで、アップテンポなプログラムでも、4分間滑り切ることができる。スタミナ対策にも繋がる、というわけだ。

そしてもう1つ、アドバイスを受けたのが、コレオシークエンスの場面。

坂本はこれまでジャッジを見ることを苦手としていたのだが、しっかりと見ることの大切さを指摘された。

ただ滑るのではなく、ジャッジと目を合わせアピールすることも、表現の1つなのだ。

「今まで緩急・強弱とか全然分からなかったのですが、今後は演技の幅がすごく広がるような気がして、今日はいい勉強になりました」(坂本)

迎えたグランプリシリーズ初戦の「アメリカ大会」。

音楽との同調性を見せ、力強く演じ、ジャッジの目の前を通る際には、しっかりアピールした。

「練習の時から、ジャッジさんがいるつもりでフェンスの上を見るように練習していたので、そこはできたと思います」(坂本)

こうして4分間、最後まで滑りきった坂本。

結果はわずかの差で表彰台を逃したものの、FSの表現などを示す演技構成点は67.36点と、過去のグランプリシリーズ初戦と比べ、最も高い得点を獲得した。

次なる戦いは、第3戦の「フランス大会」。世界の強豪が集う中、練習で培った“表現力”で魅せる。

※番組情報:『フィギュアスケートGPシリーズ2019「第3戦・フランス大会」』
11月1日(金)よる11:00~「男子ショート」 テレビ朝日系列にて放送/AbemaTVにて配信
11月2日(土)よる9:30~「女子ショート/男子フリー」 テレビ朝日系列にて放送/AbemaTVにて配信
11月3日(日)あさ4:30~「女子フリー」 テレビ朝日系列にて放送/AbemaTVにて配信

LINE はてブ Pocket
関連記事
おすすめ記事