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渋川清彦、映画で衝撃的なワルに!共演の笑福亭鶴瓶が、大変なシーンの前日に“あるもの”をご馳走

 

©テレビ朝日

モデルとして活躍後、俳優デビューを果たし、今や唯一無二の個性派俳優として注目の渋川清彦さん。一見コワモテだが、笑顔はとびきりチャーミングでそのギャップが魅力。ダメダメなのに愛さずにはいられない男を演じたらピカイチだが、11月1日(金)に公開される
映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』では笑顔を封印し、かつてないほどひどい男を演じている。

©テレビ朝日

◆4歳の息子は父の影響で映画が大好き

悪い男を演じることが多く、圧倒的な存在感を放っている渋川さんだが、私生活では4歳の息子を持つ優しいパパとしての顔も。

―昨年は映画14本、今年もすでに6本の映画が公開されていて、さらにテレビにも出演されているので、息子さんと一緒に過ごす時間があまりないのでは?-

「忙しいときもありますけど、ないときは仕事はないので、ずっといられたりしますから結構一緒に過ごす時間はありますよ。

幼稚園の送り迎えとか、あと、(映画・ドラマ)『柴公園』で自分の飼い犬の“あたる君”を演じた柴犬のキー君に一緒に会いに行ったりね。動物プロダクションの柴犬なんですけど、ペットショップもやっていて、そこの看板犬でもあるんですよ。

その店が俺の家の近くなので、たまに行ってるんです。息子もまだちっちゃいんですけど、『キー君、キー君』って言って大好きなので。『柴公園』は毎回楽しみにして見ていましたね」

-まだ4歳だそうですが、ほかにも渋川さんのドラマや映画は見ています?-

「自分が出ている映画はいろいろ見せていますよ。映画『パンク侍、斬られて候』(石井岳龍監督)は2回見ています。あれがやっぱりわかりやすいというか、派手だから楽しいんじゃないですか。

小さいプラスチックの刀を買ってあげたら、それを持って真似したりしていますよ。その刀を振り回して『父ちゃん、江下レの魂次(えげれのこんじ)』ってやってますから(笑)。あれから映画が好きになったみたいで、『記憶にございません』が見たいなんて言っています(笑)」

-将来は俳優になりたいと言うかもしれないですね-

「かもしれないですよね(笑)。本人がやりたければそれもいいと思いますけど」

芸名の苗字に付けるほど、出身地の群馬県渋川市をこよなく愛している渋川さん。地元群馬ではラジオのパーソナリティーもつとめている。観光大使もつとめ、忙しい合間をぬって定期的に地元に帰っているという。

「最近子供が幼稚園に行きだしたので、前ほどは帰れなくなっちゃったんですけど、お盆とか、夏休みとかは必ず帰っています。電車より楽だしゆっくりできるので、前は高速バスで帰っていたんですけど、子どもは結構つらいじゃないですか。高速バスだと逃げ場がないので。だから最近はもっぱら電車ですね」

-観光大使もされていて-

「今も観光大使になっていますが、特別何かをやっているというわけでもないんですけどね」

-でも、お名前が出るだけで宣伝になりますからね-

「そうですね(笑)」

©テレビ朝日

◆衝撃的なワルにチャレンジ!「クズ野郎」と言われてイラッと…

独特の存在感で映画ファンを魅了し続ける渋川さん。映画デビュー20周年となった昨年は、主演映画2本を含む14本の映画とドラマに出演。出演映画は100本以上。6月にはオールナイト上映「渋川清彦映画祭り」も開催されるなど、日本映画には欠かせない俳優としての地位を確固たるものにしている。

-主役から脇役まで幅広い役柄を演じてらっしゃいますが、脇役のときも強烈なインパクトがありますね-

「ありがたいですね」

-100本以上の映画、そしてテレビドラマにも多数出演されていますが、町で声をかけられたりします?-

「それはあまりないですね。多分普通にいるから気がつかないんじゃないでしょうか。自分の場合は、テレビにも出ているといっても、あんまり世間の人が引っかかるようなタイプじゃないんじゃないですか(笑)」

-なぜか憎めない愛すべきダメ男をやらせたら右に出るものはいないという感じですが-

「いやいや、結構そういう人はいっぱいますよ。先輩の役者さんとかでもいっぱいね」

(C) 2019「閉鎖病棟」製作委員会

※映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
妻と母親を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生きながらえた梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)は精神科病院の閉鎖病棟に収容される。やがて入院患者のチュウさん(綾野剛)と女子高生の由紀(小松菜奈)たちと出会い、心を通わせるようになる。しかし、衝動的に暴力を振るう重宗(渋川清彦)が入院してきたことで事態は一変。事件が…。

-今回は見ていて憎悪を感じるほどひどい男を演じていますねー

「そうですね。でも、そういうのは結構ありますよ。去年やった『ゼニガタ』(綾部真弥監督)という映画があるんですけれども、それも救いがないヤクザだったので。あの作品も今回と同じように一回も笑った記憶はないですね」

-最初に『閉鎖病棟』の台本を読んだときはいかがでした?-

「なんかちょっと安心感というか、だいたい悪役とかの方が多いので、もう慣れてる感じですよね(笑)」

-渋川さんが演じた重宗役ですが、ここまでひどい男というのは衝撃的でした-

「もっとひどい救いようのない男にしたかったんですけど、平山(秀幸)監督の演出で優しさ、切なさを引き出してくれました。

重宗もみんなの仲間に入りたいんだけれども、不器用でうまくできないのではないかとか、感じてもらえたんじゃないかと思います。壁に向かってひとりでキャッチボールをしているシーンがあるんですけど、あれで背景が見えましたよね。この男に良いところはないけれども、切なさみたいなものは。

どうしようもない男なんだけど、ああいうふうになるには育ちが悪かったんじゃないかとか、勝手に想像できますもんね」

-撮影で印象に残っていることは?-

「実際の精神科病院で撮影できたということです。雰囲気が全然違うので、ここで俺は騒いでいいのかなっていうのがあったし。実際芝居で騒いでいるところの横に本当に入院中の患者さんがいましたしね。リアルに病院で撮影できたというのは良かったです。全然違いますからね、セットとは。

役作りとかそんな大したものじゃないんですけど、孤立している役だったし俺だけやっぱりスケジュールが違うので、ひとりでいることが多かったですね。みんなは一緒にご飯に行ったりとかしていたみたいですけど」

-撮影中に鶴瓶さんに焼肉をご馳走になったとか-

「はい。鶴瓶さんとの大変なシーンを撮影する前の日に焼肉をご馳走になりました。スタッフやキャスト全員に振る舞ってくれたんですよね」

-平山監督は現場ではどんな感じでした?-

「平山さんは、前にドラマでやっているので2度目なんですけれども、昔の映画人という感じで好きです。活動屋っていうんですかね。鶴瓶さんもおっしゃっていましたけど優しいです」

-完成した後、監督は何かおっしゃっていました?-

「初号を見たときに平山監督が、『(渋川さん演じる重宗にカラオケ大会の場面で)“少年時代”を歌わせれば良かった。そうしたら、もっと寂しさや切なさが出たんじゃないかなぁ』って言ってました。でも、俺オンチなんですよね(笑)」

-映画をご覧になった方たちには何て言われます?-

「鶴瓶さんの番組『チマタの噺』(テレビ東京系)に出たときに試写を見た人に取材していたんですけど、みんな『クズ野郎』とか『クソ野郎』って言ってました(笑)」

-俳優としては役者冥利に尽きるというか本望では?-

「そういうことですよね。それは良かったですけど、あまり『クズ野郎』とか『クソ野郎』とか言われる過ぎると、ちょっとイラッときますね(笑)」

©テレビ朝日

◆知らない場所をひとりでブラブラと

-地方ロケも多いと思いますが、合間はどのように過ごされているのですか-

「撮影じゃないと絶対に行けないようなところに連れて行ってもらうことも多いので、空き時間にはひとりで町をブラブラ歩いていますね。それが一番楽しみなんですよ。だから『閉鎖病棟』でも撮影がないときは、上田(長野県)をひとりで色々堪能しました」

-iPadを駆使されているそうですね-

「駆使はしてないです。できない(笑)。俺は携帯もまだガラケーだし、アナログなんですよね。でも、食べログはよく見ています。あとグーグルマップはかなり活用できますね。色々地図を見て歩いて行って、店構えと食べログを見て店に入ったりしています」

-今「映画監督が最も使いたい俳優」と言われていますが、タッグを組んでみたい監督は?-

「阪本順治さんとやってみたかったんですけど、『半世界』でできたし、若い監督とは結構やっているので、往年の監督とやってみたいですよね。山田洋次さんとか。中島貞夫さんとか」

-寅さん(男はつらいよ)が好きなんですよね-

「寅さん好きです。新作ができたから見たいですよね。ちょっとドキドキしますけど(笑)。

あと、『撮って欲しいなぁ』って思うのが柳町光男監督。柳町監督にはたまに飲ませてもらうんですよ。『柳町さん、何やってるんですか』って電話をかけると、柳町さんも付き合ってくれるので。柳町さんには撮ってほしいし、やってみたいですね。でもあの人は『僕はちっちゃい映画はやらない』って言っているので、今はなかなか難しいですよね」

-お酒はよく飲まれているんですか?-

「飲みますね。飲まないとあんまり話せないというのもなんとなくあるし(笑)」

-取材とか舞台挨拶も多いでしょうから、慣れたのでは?-

「そうですね。舞台挨拶とかは結構やっているので、多少は慣れましたけど、あんまりうまくはしゃべれないですね。用意していくことも中途半端だったりするし。だから結構飲んでやったりしていますね。

昨日も映画のトークイベントがあったんですけど、結構飲んでいましたね。俺はすぐ顔に出るんですよ。すごい真っ赤になるのですぐわかると思いますよ。それでピエロになればいいかなっていう感じ。トークできないぐらい泥酔ということはないので(笑)」

男っぽい風貌がガラッと変わるシャイな笑顔がたまらない。来年3月には主演映画『酔うと化け物になる父がつらい』の公開も控え、来年は舞台2本の出演も決まっている。唯一無二の存在感を放つ個性派俳優の勢いが止まらない。(津島令子)

(C) 2019「閉鎖病棟」製作委員会

※映画『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
11月1日(金)より全国ロードショー。
監督:平山秀幸 出演:笑福亭鶴瓶 綾野剛 小松菜奈
坂東龍汰 高橋和也 木野花 渋川清彦 小林聡美
配給:東映

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