テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』 では、さまざまな「SDGs」の課題に取り組み、暮らしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を踏み出した人たちを紹介している。
今回取り上げるのは、性的マイノリティに悩む人たちのために下着を製作した上田のぞみさん。
上田さんは高校時代、卒業研究として“胸を平らに見せる下着”の開発に取り組んだ。身体の性別に違和感がある友人たちの声をリサーチしながら、大手下着メーカーのグンゼと約1年半にわたり、共同開発した。
「地元には渋谷区パートナーシップ証明があって、私は(授業で)性的マイノリティについて学びました。高校を卒業する時の研究テーマを先生たちと相談している時に、着用したい下着がなくて困っている中高生がいることを知り、研究することにしました」
上田さんが開発した下着を着用することで、胸のふくらみが目立たなくなり、自身の身体に違和感が和らぐほか、周囲から女性であると見なされることも少なくなる。こうした効果により、精神的な安心感を得られるという。
また、胸が大きい女性や和装・コスプレなどにも需要があると見られている。実際に下着を着用し、10cmほど胸のふくらみを抑えることができたケースもあった。
この取り組みを通して、想像以上に多くの人が性や身体について悩みを抱えていることを知った上田さん。現在は大学で社会福祉について学びながら、誰もが生きやすい社会の実現を目指している。
「胸が大きくて悩んでいる女性がいることを知ったので、(この取り組みをきっかけに)性自認についての違和感や悩みを持つ人の生きづらさなどが減り、(心ない)言動によって傷ついた気持ちに寄り添い、支えてくれる人が増えたらいいなと思っています」
なお、『しあわせのたね。』次回6月21日(土)の放送では、“木から酒をつくる”技術を開発した人物が登場。林業と地域の活性化を目指し、木材を余すことなく活用する取り組みが紹介される。
※番組情報:『しあわせのたね。』
毎週土曜 午前9:55、テレビ朝日(※一部地域を除く)