国内初!「子ども食堂」が“移動式”に――キッチンカーで食事を届ける男性の思い

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。

テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』では、さまざまな課題に取り組み、くらしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。

今回取り上げるのは、移動式の子ども食堂を運営している「NPO法人あいだ」の奥野大地さん。

2020年から埼玉県熊谷市内でキッチンカーを持つ飲食店に食事の用意を委託し、国内初の移動式子ども食堂をスタートさせた奥野さん。

高校生以上には600円、中学生までの子どもと妊婦には無料で食事を提供している。

「固定の場所を作ってしまうと、(子どもが)そこまで来るのが大変だったり、結果絶対来られない人がたくさん出てしまう。移動できるのであればいろいろな所に私たちが行けばいいだけなので、楽だなというのが(はじめた理由の)ひとつでした」(奥野さん)

この日のメニューは、ハンバーグ丼とタコライスの2種類。

おいしそうに頬張る子どもたちの横で、親たちは「移動式だと本当に必要な人の所に届くと思う」「取り組みとしてすごい。利用しやすい」と喜んでいた。

◆「気軽に助けを求めたらいい」

奥野さんが移動式子ども食堂をはじめた原点は、8年前に病気で生死の境をさまよった体験だった。

「おかげさまで元気になりましたが、いつまた病気になるかもわからないし、病気になった時はもう次は帰って来られないかもしれない。妻や子どもたちがこの先も困らないためには、困った時に助けてくれる人がたくさんいればいいんだと思うようになりました。それがこの活動をはじめるきっかけであり、活動の根幹になっています」(奥野さん)

世の中には助けてくれる人がたくさんいるので、気軽に助けを求めたらいい――そんなメッセージを伝えるため、自ら困っている人たちを助け続けている。

いまでは埼玉だけでなく、全国へこの取り組みを広めている奥野さん。彼が未来に叶えたい夢は?

助けられるとか助けてくれというような敷居をまず下げたいし、ひとりでやることはないんだよということも伝えたいですね。僕としては貧困の予防を目指してやっているので、今困っている人たちだけをどうにかしようというのではなくて、誰かが困った時に誰かが何とかしてくれるという、その確率を上げたい」(奥野さん)

なお、次回10月8日(土)放送の『しあわせのたね。』では、環境に配慮した製品で爪も環境も美しく健やかになる手伝いをしている人を特集する。

番組本編をYouTubeで配信中!

番組情報:『しあわせのたね。
毎週土曜 午前9:55、テレビ朝日(※一部地域を除く)

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