高齢者はなかなか部屋が借りられない? 貸主がもつ「孤独死」への懸念を画期的なシステムで解決

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。

テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』 では、さまざまな課題に取り組み、くらしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。

今回“しあわせのたね”を蒔いているのは、65歳以上に向けて賃貸物件を提供する「R65不動産」の山本遼さん。高齢者専門の賃貸情報サイトを起ち上げ、物件と貸主、そして借主の間をつなぐ要となっている。

今回は69歳の男性と物件の内見へ。男性はほかの不動産会社に行ったものの、大家がいい返事をくれないこともあると聞き、「(65歳以上が)借りやすいシステムがほしい」とR65不動産を訪れた。

このように、賃貸住まいの高齢者の住み替え需要に応える物件は決して多くない。不動産会社や貸主がもっとも懸念しているのは借主の“孤独死”だ。

そこで山本さんは孤独死を防ぐため、借主の生存確認が出来るシステムを取り入れた。

こちらが実際の入居者さんの電力の使用量のグラフです。電力の使用量変化がまったくなくなってしまった場合は、異常ということで連絡が来ます」(山本さん)

借主の電気使用量から異常を推測し、いち早く貸主に知らせる“見守りサービス”だ。

このサービスの導入によって孤独死の懸念を解決し、貸主と借主どちらもハッピーになれる環境を作っている。

◆高齢になっても自由に家を選べるように

もともと不動産会社に勤めていた山本さん。R65不動産を立ち上げたきっかけは、その頃に出会ったある女性からの“一言”だった。

「80代の女性の方が『ほかの不動産会社ほぼ門前払いでした』と言われて、最終的に電話した200件のうち、高齢者に紹介可能な物件は5軒しかありませんでした。とても元気でしっかりと仕事もしているのに、なぜ賃貸住宅を借りられないのかと疑問に思い、それがきっかけでR65不動産を立ち上げました」(山本さん)

現在は、全国およそ40の不動産会社と連携。高齢者も入居可能な賃貸住宅2000戸以上を紹介している。

山本さんが、未来に叶えたい夢は?

年齢に関わらず、いくつになっても好きな場所に住める選択肢を提供したい。そうすることによって、豊かな暮らしの実現を目指し、最終的にはR65不動産がなくなっても問題がないような未来を実現したいです」(山本さん)

なお、次回8月13日(土)の放送の『しあわせのたね。』では、ウェディングドレスのリメイクで、思い出を受け継ぐ手伝いをしている人を特集する。

番組本編をYouTubeで配信中!

番組情報:『しあわせのたね。
毎週土曜 午前9:55、テレビ朝日(※一部地域を除く)

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