テレビ朝日が“withコロナ時代”に取り組んでいる『未来をここからプロジェクト』。
日曜あさの情報番組『サンデーLIVE!!』内で放送中の『TOKYO応援宣言』では、「未来はほめることから」と題し、ほめられて飛躍を遂げたアスリート、ほめることで選手を伸ばしたコーチの逸話など、スポーツにまつわる“ほめエピソード”を紹介している。
1月31日(日)放送の同番組では、プロバスケットボール選手・富樫勇樹(27歳)を特集。プロ1年目の知られざる転機に迫った。
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◆試合中に指揮官から激怒
2019年、日本人初の“1億円プレーヤー”となったプロバスケットボール選手・富樫勇樹(千葉ジェッツ)。
2020年12月にはB1リーグ史上最速となる3ポイントシュート500回成功を達成するなど、チームに欠かせないポイントガードだ。
そんな富樫には今から8年前、トップ選手に駆け上がる大きな転機があった。それは、秋田のチーム「秋田ノーザンハピネッツ」に所属していたプロ1年目。
当時19歳の富樫はドリブルで仕掛けるが、なかなか思うようなプレーができない。さらに、いら立ちからかチームメイトと言い合う場面も。
ふがいないプレーがつづいた富樫は、直後のタイムアウトで衝撃的な言葉を放たれる。
「文句言える筋合いじゃねーだろテメーは!」
富樫に激怒したのは、元ヘッドコーチの中村和雄さん。女子日本代表監督も務めた名伯楽だ。
熱く厳しい中村さんの指導について、富樫はこう振り返る。
「ストレートにそのときの感情をぶつけていたので、もちろん怖いんですけど、やっぱり愛情があるというか、選手を本当に思っているからこそ」
厳しい言葉は、期待のあらわれ。事実、中村さんは富樫について聞かれた当時のインタビューで、こんな言葉を残している。
「非常に強烈にいい選手に育てたいと思っている」
「チームが富樫に合うようなバスケットをすればよいと思っている」
さらに2013年の試合後には、ファンの目の前で富樫を指し、高らかに宣言していた。
「僕は信じていますよ、2020年の東京オリンピックの日の丸のポイントガードはこいつだ!」(中村さん)
◆「俺の考え以上の選手になってほしい」
誰よりも富樫の実力を認めていた中村さんは、彼なりの言葉で富樫をほめて育てようともしていた。
「俺の考え以上の選手になってほしいみたいな。何言われてもそれだけは忘れるな。怒られたからといって縮こまってその通りにやるんじゃなくて、自由にやれっていうのは言われつづけたかなと思います」(富樫)
中村さんがそんな風に接していたのは、富樫だけだったという。
そんな恩師の存在もあり、富樫はBリーグでMVPを獲得し、日本代表の司令塔として45年ぶりのオリンピック出場に貢献するまでに。中村さんの言葉通り、東京オリンピックでは日本代表のポイントガードとして活躍が期待されている。
「俺の考え以上の選手になってほしい」という中村さんの“最高のほめ言葉”が、富樫をトップ選手へと導いたのだ。
富樫にとって「ほめる」こととはどんなことなのか、最後に聞いてみた。
「本当に最大限に認めてくれているからこその言葉だと思う。僕のプロバスケットボール人生で、自分の目指すべき選手像が見えた瞬間だったと思うので、本当にあの言葉で今の自分があるなという風に思います」
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系