仮面ライダーと選手の異色コラボも実現!“新たな見方”も導入され注目の「世界体操」
2020年の東京オリンピック前、最後の体操世界一決定戦となる「世界体操」が10月4日(金)に開幕した。
ドイツ・シュツットガルトで開催される注目の大会を前に、男子日本代表の中心メンバーでもある谷川航(わたる)・谷川翔(かける)の谷川兄弟が、「仮面ライダーゼロワン」と世界体操PR 映像で共演するという“異色コラボ”が順天堂大学とセントラルスポーツの協力で実現した。
ゆかを舞台に3人が共演するシーンでは、谷川兄弟がスーパーヒーローのゼロワンに負けない高い身体能力を披露している。
さらに谷川翔は、ゼロワンが敵と戦う横で、あん馬の旋回技「カイキャクセンカイ」を披露。向かってくる戦闘員を蹴散らすという“アクションシーン”にも挑戦した。
今回の“異色コラボ”は、今大会の放送を前に“体操ファン層拡大”を企図してテレビ朝日スポーツ局が実施したもの。
スポーツ中継に合わせ、同局内で放送されるアニメ番組などとスポーツ選手がコラボする施策は従来も行われてきたが、今回はその文脈の中でも新たな試みだ。
というのも、スポーツ中継を前にした番組間のコラボは、選手が番組に出演するか、アニメの世界観の中に“特別ゲスト”として二次元のキャラクターとして出演することが多かった。
しかし今回の「世界体操」PR映像は、選手が実際にゼロワンと共演し体操のパフォーマンスを披露する、という珍しい取り組みとなっている。
◆SNSウケ以上の大きな“狙い”
今回取り組んだ新たな試みについて「単なるSNSウケを狙ったものではない」とするのは、テレビ朝日スポーツ局・小林麻衣子プロデューサー。
「“体操の動きを活かしてインパクトのあるPR動画が撮れないか?”というのは、世界体操の放送を開始した2017年からずっと構想にありました。体操競技の醍醐味である“動き”に興味を持ってもらいたいとずっと思っていたんです」(小林プロデューサー)
その結果浮かび上がったのが、アクロバティックなアクションシーンが多い仮面ライダーとのコラボだったそう。
そして小林プロデューサーによれば、仮面ライダーとのコラボを実現させたのには、もう一つ大きな理由があったという。
「世界体操を見てもらうために、若年層に向けた新たな施策が求められ続けてきました。SNSを使ったデジタル戦略はその最たる例ですが、今回『仮面ライダー』と異色のコラボをすることで、若い方々や子供たちが体操という競技に興味をもつきっかけになればと考えたんです」(小林プロデューサー)
親しみのある憧れのヒーローと一緒に戦う体操選手は、子供たちの目には“いちスポーツ選手”以上の存在としてうつるだろう。異色コラボ実施の最大の理由はそこにあった。
◆体操の“新たな見方”も導入
さらに、体操競技の醍醐味である選手のダイナミックな動きをより身近に感じ取ってもらうため、今大会からは選手の演技が瞬時に3D モデル化して映像化されるシステムを中継に導入するという。
「演技中の選手の動きをカメラが置かれていなかったアングルからも見ることができ、演技の凄さをより客観的に観察できるようになりました。体操を初めて見る視聴者でもわかりやすい中継にするための新たな工夫の一つです」(小林プロデューサー)
スポーツのテレビ中継は、その競技の経験者やファン以外にも訴求するため、視聴者に向けたわかりやすさを常に追求し続けている。今回の新システムの導入も、その一つと言えるだろう。
「世界体操」では、選手の活躍とともに、新たな中継システムやそれによってもたらされる“迫力”にも注目したい。
※番組情報「世界体操ドイツ・シュツットガルト 2019」
2019年10月8日(火)~13日(日)テレビ朝日系にて6夜連続放送!