テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
未来をここからプロジェクト
menu

2回目のマラソンで、2時間7分57秒。“BIG4”に隠れた逸材、藤本拓が秘める可能性

今日12月1日(日)に開催される「福岡国際マラソン」。

9月に行われた2020年東京五輪のマラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」では、1位・中村匠吾、2位・服部勇馬が東京五輪の内定を決めたが、今大会はその出場権残り1枠をかけた「MGCファイナルチャレンジ」の第1戦となる。

3月の「東京マラソン」、「びわ湖毎日マラソン」を含む3大会の「MGCファイナルチャレンジ」で、“2時間5分49秒”の記録突破が五輪内定の条件となっており、同条件を満たす選手がいない場合は、「MGC」で3位だった大迫傑の内定が決まる。

今大会、その記録突破が期待されるのが、藤本拓(30)だ。

©テレビ朝日

「MGC」は2時間13分58秒で9位だったが、自己ベストは2時間7分57秒。しかも、この自己ベストをマークした「シカゴマラソン」は、なんと自身2度目となるマラソンだったというから驚きだ。

「MGC」前、大迫傑・設楽悠太・服部勇馬・井上大仁のビッグ4に迫る、スピードランナーとして密かに注目を集めていた彼は一体何者なのか――。

◆高校卒業後は「働こうかなと思っていた」

藤本が陸上を始めたのは小学生の時。その後、高校まで陸上を続けるも、大学進学は考えていなかったという。

「社会人として働こうかなと思っていたのですが、高校の監督から大学で陸上やったほうがいいと言ってくださって、続けることにしました」(藤本)

恩師の助言もあって、藤本は国士舘大学に入学。トラック種目を中心にレースに出場していた。

春季トラックシーズンのビッグレース、「関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ1部)」では、5000mで2連覇。4年のときには、大迫も出場する中、僅差で競り勝った。

「トラックの面白さにのめり込んだ」と、マラソンに挑戦することは考えていなかったが、社会人になって挑戦したハーフマラソンで、“長距離の適性”を感じるようになった。

「誰かの後ろについた時に、すごく楽に感じました。周りからは、スピードタイプとか、短距離の方が適性があると言われていたのですが、僕自身は長い距離の方が適性あるのかなと。

そのあたりから、マラソンを目指してみようかなという風に思い始めました」(藤本)

初マラソンに挑戦したのは、18年3月の「琵琶湖毎日マラソン」。このときの記録は、2時間15分30秒だったが、7か月後の「シカゴマラソン」では2時間7分57秒。

つまり初挑戦から7か月、2度目のマラソンでなんと7分以上自己ベストを更新したのだ。

しかも、日本と大きく環境が変わる海外レースは、不慣れな選手には難しい部分も多い中での、驚異的な記録の更新だった。

◆「あまり人を見すぎても、自分のペースを見失ってしまう」

なぜこんなにも、タイムが大幅にあがったのか。藤本本人に尋ねると、驚きの答えが返ってきた。

「マラソンをネガティブに捉えていたのか、ポジティブに捉えていたのかの違いなのかなって思います。(『シカゴマラソン』は)ずっと楽しいなと思いながら走っていました」(藤本)

長く、過酷なマラソン競技を、楽しめる――。この「楽しめる」能力こそが、藤本の強さなのだろう。

そしてさらに、藤本にはもうひとつ“武器”がある。

「あまり人を見すぎても、自分のペースを見失ってしまうので、自分は自分で。自分のできることをしっかりやることが大事なのかなと思っています」(藤本)

©テレビ朝日

「MGC」の数日前にも、“ひとりカラオケ”でリラックスするなど、五輪の出場枠という誰もが夢見る大きなチャンスがそこにあっても、ひとり冷静さを保っていたという。

その動じない強さにも、“2時間5分49秒”の記録突破の可能性を感じずにいられないが、本人は至って冷静だ。

「タイムなど結果は、後からついてくるものだと思うので、まずはしっかり自分の力を出し切ることだけに専念したいと思います」(藤本)

自分のペースで一歩ずつ。藤本が今日の「福岡国際マラソン」でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみだ。

※番組情報:『福岡国際マラソン』
12月1日(日)12時00分より、テレビ朝日系列地上波にて放送

はてブ
LINE
おすすめ記事RECOMMEND