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外国人障がい者が日本の“バリアフリー”を世界に発信!浅草寺本堂の驚きの設備

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

今回修造は、2020年東京オリンピック・パラリンピックが掲げるテーマのひとつ「おもてなし」を世界に広めようと取り組む人物に会いに、日本有数の観光名所・浅草を訪れた。

そこで待っていたのは、カナダ生まれのグリズデイル・バリージョシュアさん、通称・ジョシュさんだ。

©TOKYO応援宣言

脳性小児まひの影響で4歳の頃から車いす生活を送るジョシュさんは、10年前から日本に移住。現在は障がいのある外国人観光客向けに日本のバリアフリー事情をまとめた観光サイトを運営している。

「英語のバリアフリー情報があまりないので、たくさんの人が日本に来て好きになってくれるよう、英語で紹介しています」とジョシュさん。修造が日本のバリアフリーについて聞くと、「進んでいますよ。世界一だと思います」と答える。

ジョシュさんは、日本には「おもてなしを感じられる場所」が増えてきているともいい、今回は実際に修造と街を歩きながら“おもてなしポイント”を教えてくれた。

 

◆海外にはない「だれでもトイレ」

まずジョシュさんが修造を案内したのは、“だれでもトイレ”だ。

©TOKYO応援宣言

ジョシュさんが「大好きです」と話すこのトイレ。一般に障がい者用のトイレと考えられることもあるが、その名前の通り、障がい者だけでなく高齢者や子連れの親、人工肛門や人工膀胱の人まで“だれでも”使えることが特徴である。

ジョシュさんはその良さを修造に問われると、「海外には“だれでもトイレ”はない。車いす(用)だったら、男子トイレでも女子トイレでも若干広くなっているだけです。子連れの人には狭くて難しいし、僕は小さい頃はお母さんと一緒に女子トイレに入るのが恥ずかしかった。こういうトイレがあると非常に助かります。日本はトイレ王国です」と答える。

“だれでもトイレ”とは、東京都が条例で交付した言葉だ。性別や年齢も関係なく、障がいがあってもなくてもだれでも気兼ねなく使えるよう設計されている。ジョシュさんによれば、海外では「障がい者専用のトイレ」はあっても、日本のような誰でもみんなが使える多目的なトイレはないのだという。

日本のバリアフリーには、“誰でも気兼ねなく使えるように”という心遣いがプラスされている――そして、そんな日本人が自身では気づかない“おもてなしポイント”が浅草にはたくさんあるという。

 

◆車いすでも乗ることが出来る人力車

続いて案内されたおもてなしポイントは、浅草の名物とも言える“人力車”。浅草には、車いすからでも簡単に乗ることが出来る人力車がある。

©TOKYO応援宣言

これは、およそ6年前から始まった新たなサービス「バリアフリー・リキシャ・ステーション」。通常は踏み台を使って乗り込むところに、長いスロープを設置。これを使うことで、車いすの人も健常者と同じように人力車を楽しむことが出来るのだ。

ジョシュさんは、「私は今でも(この人力車に)感動しています。10年日本に住んでいますが、去年までこういうことが出来ると知らなかったんです。みんなに伝えたいですね」と話す。

©TOKYO応援宣言

これに修造も、「これはよく考えたね。優しいですよね、考え方が。(車いすでは)難しいと思ったことが出来るというだけでも、(車いすに乗る人にとって)すごく可能性が広がる気がします」と感心する。

 

◆浅草寺にある驚きのバリアフリー

最後に訪れたのは、浅草のシンボル・浅草寺だ。多くの観光客で賑わうこの歴史情緒あふれるスポットにも、驚きの“おもてなしポイント”が隠れているという。

©TOKYO応援宣言

浅草寺は、いまから4年前に参道を全てバリアフリーにした。

ジョシュさんも様々な店が軒を連ねる仲見世通りを含め何回も訪れているそうで、「車いすでも結構スムーズです。普通のお寺とか神社だと砂利道が多いんですね。それに段差などもあるので車いすだと移動が難しいんですけど、(バリアフリーによって)障がい者でも健常者と同じことが出来ます。おもてなしですね」

そして、本堂。本堂に入るためには、何段も続く階段を登らなければいけないが……ここに驚きのバリアフリーが隠れている。

©TOKYO応援宣言

本堂に付いている一見なんの変哲もない赤い建物。実はこの中に“エレベーター”が隠されており、車いすの人でも本堂に簡単にお参りすることが出来るのだ。お寺の景観や雰囲気は守りながらも、障がい者にも配慮してエレベーターを設置する――ジョシュさんは、外国にはない「日本流のおもてなし」だと力説する。

「(バリアフリーで)エレベーターが付いていると申し訳ないと思ってしまうこともあるんですけど、こういう感じで作ると誰にも迷惑かけないし、雰囲気もみんなが楽しめる。そんな気遣い、心のおもてなしまでやっていただいて、ありがたいです」(ジョシュさん)

実は、世界的にも観光地や文化遺産をバリアフリーにすることには賛否両論がある。バリアフリー施設を新たに作ることは、その地の歴史や雰囲気を壊しかねないからだ。

ただ、障がいのある人たちも、自分たちだけのために景色を壊すことを望んではいない。「迷惑をかけたくない」という思いから諦めることも多かったというが、お寺の一部に組み込まれたこのエレベーターであれば、誰にも気兼ねなく観光を楽しむことができる。この心遣いが、日本のおもてなしであるという。

 

◆「愛する日本をもっと知ってほしい」

©TOKYO応援宣言

ジョシュさんは、なぜ日本のおもてなしを世界に発信しようと思ったのか?

それは、ジョシュさんが初来日した2000年の“おもてなし体験”がきっかけだった。当時、乗ろうと思った地下鉄の駅にはエレベーターがなく、諦めようとしたところ、駅員たちが当たり前のように「大丈夫ですよ」とジョシュさんに声をかけたのだという。

ジョシュさんにとっては、信じられない一言だった。電動車いすとジョシュさんを合わせると重さが約200kgあったため、不可能だと思ったのだ。初め3人の駅員で運び始めるが、それでも200kgの重さは運べない。するとどんどん人が集まってきて、6人がかりで地下の駅に運んでくれた。

誰であっても全ての人が気兼ねなく電車に乗られるようにしている――ジョシュさんはその責任感と心遣いに強く感動したという。

そして、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが来ると知り、それを機に「私が好きになった、愛する日本をもっと知ってほしい」という思いになったそうだ。「海外からみると、(日本には)バリアフリーがないイメージがある。それは違うぞって伝えたい。そして、私のように好きになって愛してほしい」――ジョシュさんは、このように語ってくれた。

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系

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