東日本大震災を機に誕生した「空気から水を生成するウォーターサーバー」飲み水は自分でつくる新たな時代へ

2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。

テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』 では、さまざまな課題に取り組み、暮らしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。

今回取り上げるのは、空気を原料にコーヒーを販売している河﨑悠有さん(アクアム代表取締役)。

河﨑さん:「わたしたちはこの機械を使って空気から水をつくっています。美味しいです。まろやかで優しい口当たりです」

河﨑さんが開発したのは、空気中に含まれる水分を集めて1日200リットルの水をつくれる空気製水機。その水を利用してコーヒーを販売している。

バリスタの飯塚杏奈さんは、「水道水と比べると水の硬度が一定に保てるので、同じ美味しさでコーヒーを味わうことができます」と話す。

◆「自分の人生をかけて取り組む価値がある」

河﨑さんがこの事業をはじめたきっかけは、東日本大震災だった。

河﨑さん:「震災当時、私は東京在住でホテル設計会社に勤めていましたが、ボトルウォーターの購入制限や水道水が飲めなくなるなど社会全体に大きな変化が生じ、私自身もこれからの人生を考えるきっかけになりました」

そんななか、30歳のときに過労とストレスから体調を崩し倒れてしまう。

「人生いつ何が起こるか分からないから、自分のやりたいことを全力でやり遂げたい」と思った河﨑さんは、アメリカに留学していたときを思い出す。

河﨑さん:「留学時代、やはり海外ではきれいな水はとても貴重で水資源が枯渇していることを知りました。そのときに空気から水をつくる技術が開発されて実証試験が行われている記事を読んだことを思い出し、この技術を日本の技術力で品質向上し世界に普及できるなら、自分の人生をかけて取り組む価値があると思いました」

こうして空気製水機の実用化に向けて走り出した。

いまでは行政と連携し、各地の指定避難所に空気製水機を試験的に設置。災害時でも飲料水を確保できる取り組みを行っている。

「自分が飲む水を自分でつくる」という新たなライフスタイルを提案する河﨑さんは、「ウォーターステーションのような給水所としてこの技術を実用化し、海外に普及させていきたい」と未来を夢見ている。

なお、『しあわせのたね。』次回5月11日(土)放送では、青果店などから出る傷みやすい食材を具材に冷凍の丼をつくっている人を紹介する。

番組本編をYouTubeで配信中!

番組情報:『しあわせのたね。
毎週土曜 午前9:55、テレビ朝日(※一部地域を除く)

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