テレビ朝日が“withコロナ時代”に取り組んでいる『未来をここからプロジェクト』。
日曜あさの情報番組『サンデーLIVE!!』内で放送中の『TOKYO応援宣言』では、「未来はほめることから」と題し、ほめられて飛躍を遂げたアスリート、ほめることで選手を伸ばしたコーチの逸話など、スポーツにまつわる“ほめエピソード”を紹介している。
本記事では、体操・内村航平が経験した“ほめ”エピソードを紹介したい。
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◆ほめたり励ましたりすることが下手
4度目のオリンピック出場をかけ、6月5日(土)からはじまる全日本種目別選手権に出場する内村航平(32歳)。
これまでに獲得した金メダルはオリンピック3個、世界体操で10個。まさに体操界のレジェンドといえる存在だが、意外なところで自らの欠点に気づいた経験があるという。
「ほめたり励ましたりすることが下手って言われたことがあって。完全にプライベートの話ですけど、奥さんに『思っていて言わないのってダメじゃない』と結構言われるんです。たしかに僕、あんまり子どものこともほめていないなぁと。うまくいっても『いや、まだできる』みたいに、ちょっと厳しめな一言を放っちゃったりしてるので。たぶん自分に厳しいからだと思うんですよね」(内村)
ほめたり励ましたりすることが下手。家庭での何気ない会話から気付いた欠点だが、それは人生を捧げてきた体操にもいえることだった。
「(体操は)個人競技だし、自分で全部完結させなきゃいけないって思ってるんですよ。だから、他人にほめられてもあんまり関係ないかなという気持ちはあります。直接ほめられないのかもしれないです。ちょっと照れ臭いのもあるし…」(内村)
このままでいいのか――。自問自答の末、内村は直接口にしてほめるようになった。
「これだけ個人総合で、団体戦でも結果を残してきたので、後輩たちに伝えていかなきゃいけないという使命感ですね。『今のメチャクチャよかった』とかは言っています。最近だとタケルに言った記憶しかないかな」(内村)
「タケル」というのは、北園丈琉(18歳)。18歳以下の世界一を決めるユースオリンピックで、大会史上最多の5冠を達成した逸材だ。
北園は、跳馬の練習中に内村からかけられた言葉について明かしてくれた。
「つき手のときに『小指側から』とアドバイスをもらって、言われた通りにやったらすぐによくなったんですね。それで『いい感じやん!』とほめてもらいました。そんなところ意識しようとも思っていなかったので、新しい気づきでした。内村さんの言うことは全部信じられる(笑)」(北園)
内村は、跳馬の手の付き方という一瞬を見て、改善点を発見。アドバイスとほめ言葉をセットにして北園を育てようとしていた。
「ただ『すごいねー』っていうのもなんか違うかなって。ほめ方もちゃんとあるというか。やっぱり自分が経験してきて、この選手にはこういうやり方が合ってるとか、ここをもう少し改善したらもっといけるんじゃないかというのはすごく考えて伝えてますね」(内村)
家庭でのひょんな一言から、直接ほめるようになった内村。その言葉は確実に次世代を担う選手の力になっている。
そんな内村にとって、ほめることとは?
「ほめられると誰でもうれしいじゃないですか。『こうするともっとよくなるよ』とか『もうひとつうまくできるよ』という風にアドバイスもいっしょにできればいいんじゃないかかなと思います」(内村)
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系