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宇賀なつみアナ、「美味しい」と感嘆の声!“飲めるみりん”で作った梅酒

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

8月1日(水)の放送では、岐阜・川辺町で163年続く蔵元「白扇(はくせん)酒造」の4代目女将、加藤成美(かとう・しげみ)さん(62)に、宇賀アナが迫りました。

「福来純 本みりん(3年 720ml)」1080円(税込み)

◆調味料と認識されている“みりん”は、元は「夏バテ予防ドリンク」だった!?

白扇酒造では「花美蔵(はなみぐら)」という日本酒などが作られていますが、今回ご紹介するのはお酒ではなく、なんと「飲めるみりん」です。現在は“調味料”と認識されているみりんですが、実は江戸時代には「夏バテ予防ドリンク」として大人気だったんだとか。旨味や栄養がたっぷり含まれていることから料理人たちが料理の隠し味に用いるようになり、そこから徐々に調味料として使われるようになったといいます。

◆伝説の彫刻師による作品の鑑定額は?

白扇酒造の店舗にお邪魔した宇賀アナを、夫で4代目当主の孝明さん(68)が出迎えてくださいました。そこで拝見した加藤家の家宝は“面”です。孝明さんによれば、世界遺産「日光東照宮」の“眠り猫”などで有名な彫刻師「左甚五郎(ひだり・じんごろう)」の作なのだそうです。

左甚五郎といえば、「生き物を彫れば、そこに魂が宿って動き出す」とまで言われた伝説の匠。果たしてどの程度の価値があるのか、番組ではプロによる鑑定を行いました。その結果は「あまりに貴重すぎて値段はつけられない」というものでした。実はこの面は、江戸時代から続く「酒買(さけがい)の儀式」という神事で用いられるものなんだとか。「この面をつけた男が五穀豊穣(ごこく・ほうじょう)を願って成美さんの店へお酒を買いに来る」という内容のため、地域を代表して加藤家で管理しているのだそうです。

お宝はもうひとつありました。それは、人間国宝・荒川豊蔵(あらかわ・とよぞう)の作とされる「志野焼(しのやき)の茶碗」です。志野焼というのは、岐阜の美濃地方で安土桃山時代から作られている焼き物のこと。孝明さんの予想は「200万円」でしたが、成美さんは「それはバブル期の値段で、今はそんなにはつかないだろう」と、やや抑え目の「100万円」。しかしプロによる鑑定は「400万円」と、夫妻の予想をはるかに上回るものでした。これにはおふたりともビックリです。

◆昔と変わらない製法から生まれる、まろやかな「飲めるみりん」

宇賀アナは、白扇酒造の作業場へ特別に入れていただきました。案内してくださったのは、成美さんの長男の祐基さん(35)です。見せていただいたのは、米麹(こめこうじ)ともち米、焼酎を合わせて作った“モロミ”と呼ばれるみりんの元。アルコール度数は14%前後もあるため、みりんは江戸時代にはお酒として飲まれていたのです。

取材させていただいたのは、4月に仕込んだモロミの搾(しぼ)り作業で大忙しの頃。白扇酒造では、この作業を江戸時代から変わらぬやり方で行っていました。モロミを詰めた袋を“舟”と呼ばれる大きな箱の中に積み上げていくのですが、こうすると袋自身の重みによってひとりでに搾れていくというのです。「機械的に強い力で搾ってしまうとエグ味や苦味などが出てしまう。こうやって時間をかけて搾ることで、まろやかなみりんが出来上がる」と祐基さんは教えてくださいました。

モロミというのは、わずか1日前後しただけでも仕上がりに差が出てしまうのだとか。そのため、搾り作業は「最高のタイミングを見極めたら半日がかりで一気に済ませる」といいます。宇賀アナも袋にモロミを詰めて積み上げる作業をお手伝いさせていただきましたが、想像以上の重さと舟の深さに四苦八苦でした。

昔ながらのやり方で優しく搾り出されたみりん。しかし、これで完成したわけではありません。この後、最低でも3年、長いものだと10年間もタンクの中で寝かせ、それでようやく完成品となるのです。江戸時代と変わらぬ製法を守り続けていることで、白扇酒造のみりんは今でも「飲めるみりん」のまま。甘さを楽しみながらチビチビと舐めるように飲むことで、昔の人たちは夏バテを予防していたのだそうです。

◆夫の見落としていた“最大特徴”をアピールポイントにした加藤成美さん

「福来純 梅美醂(720ml)」1620円(税込み)

23歳で老舗の造り酒屋へ嫁いだ成美さん。その当時は商品の90%以上が日本酒だったそうですが、やがて時代が変わり、方向転換を余儀なくされたといいます。日本酒の売れない時代となって、それまで細々と作ってきたみりんをメイン商品にするようになったのです。しかし1年周期で出来上がる日本酒と違い、みりんは完成までに最低でも3年かかるため、その間の資金繰りには大変苦労したといいます。

資金繰りに悪戦苦闘する夫の姿を見ながら、「自分にも何かできないものか」と考えた成美さん。そこでひらめいたのは「ウチのみりんは飲める」ということでした。「お嫁に来たときに驚かされた『飲める』という特徴をアピールすれば、もっと多くのお客様に買っていただけるのでは?」と成美さんは考えたわけです。

とはいえ唐突に「みりんを飲んでください」と言ったのでは、お客様は面食らってしまいます。そこで成美さんは、「みりんを使った美味しいドリンク」を考案し、広めていく作戦に出ました。それは「みりんと梅だけで作った梅酒」です。みりんの柔らかな甘さが梅の味を引き立て、従来の梅酒とは異なる美味しさに仕上がっています。試飲させていただいた宇賀アナも、「梅の風味がすごく感じられるし、甘すぎないので美味しい!」と感嘆の声を上げていました。

成美さんは、他にも様々なみりんの飲み方を考案して広めておられます。炭酸水やアイスコーヒーと1:1で割っても美味しいそうです。アルコールが苦手な方は、鍋で煮てアルコール分を飛ばし、シロップとして使うのがオススメだといいます。アミノ酸やクエン酸が豊富なので、暑さが厳しい今の時期にピッタリなのだそうです。

成美さんのアイデアは見事に功を奏し、白扇酒造は経営の立て直しに成功しました。夫の孝明さんはそれに深く感謝しているそうで、「今では妻が社長みたいなもの。自分は付け足しでいいんです」と笑っておられました。それに対し、「そんなことはありません。夫あっての私です」と、あくまでも謙虚な成美さんなのでした。

◆灯台下暗し! 自分の身近にあることには気づきにくいけど、そこにきっと良さが隠れてます

今回、成美さんへの取材を通して宇賀アナの心に残った「女神の一言」は、「灯台下暗し! 自分の身近にあることには気づきにくいけど、そこにきっと良さが隠れてます」です。代々、伝統製法でみりんを作ってきた孝明さんは「飲める」ということを「当たり前のこと」としか思っておらず、その良さに気付かなかったといいます。それに気付けたのは、成美さんが「外から来た人」だったから。それを踏まえて成美さんは「身近なことをもう一度、『当たり前』とは思わずに見直してみると、意外な強みが発見できるはず」とおっしゃっているのです。

※白扇(はくせん)酒造
住所/岐阜県加茂郡川辺町中川辺28番地
TEL/0574-43-3835
営業時間/9:00~17:30(年中無休)
その他の紹介商品「福来純 古々美醂(10年 500ml)」2700円(税込み)
◆詳しくは店舗に直接お問い合わせください。

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