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【WRC】昨年トヨタが優勝。第8戦「ラリー・フィンランド」が開幕

現地時間の7月26日~29日、WRC(FIA世界ラリー選手権)第8戦「ラリー・フィンランド」が行われる。“フライングフィン”(※フィンランド人ドライバーについた総称)が圧倒的有利と言われるが、果たして今年は誰が、どこが優勝するのか。

©WRC

広く知られてはいないが、フィンランドは親日国家のひとつ。

日本人の有名人は、あの新渡戸稲造だ。「なぜ日本の政治家である新渡戸稲造が有名な日本人なのか」と思う人も少なくないだろう。

じつは、フィンランドとスウェーデンの間で起きた領土問題のひとつ、オーランド諸島を平和的に解決したのが、当時国際連盟の事務次官だった新渡戸稲造だったのだ。1921年に現地を訪れた新渡戸稲造は、領土の所属はフィンランドだが、文化や風習は従来どおりのスウェーデン式を認める案を提案し、両国がそれを受け入れた。

1922年にフィンランドがオーランド諸島の自治を認め、この領土問題は解決。このことから、フィンランド人に親日の人が増えていったのだ。

©TOYOTA GAZOO Racing

そんな親日国家であるフィンランド人であり、日本車で何度も世界チャンピオンを獲得したのが、TOYOTA GAZOO Racing WRTを統括するトミ・マキネン代表だ。

マキネンは、1996年から1999年まで三菱でWRCを4連覇。さらにその後、スバルのワークスチームに所属し、2003年にラリードライバーを引退した。そして2015年にはトヨタのWRC復帰に合わせ、TOYOTA GAZOO Racing WRT代表に。日本人を知り、日本文化を知るトミ・マキネンは、チームの本拠地をフィンランドに置いた。

日本のトヨタ開発陣との連携も良く、参戦初年度となった2017年にいきなり2勝。そのうちの1勝が、このラリー・フィンランドだった。しかも勝利したのは、2017年途中からWRC初参戦を果たしたエサペッカ・ラッピ。WRCデビューイヤーの新人が、いきなり母国で初優勝を果たすなど、ラリー・フィンランドはチームにとっても、トヨタにとっても重要な一戦となる。

©TOYOTA GAZOO Racing

そしてWRC初優勝を母国で飾ったラッピにとっては、2年目のラリー・フィンランドは大きなプレッシャーを感じるという。

「間違いなく前年よりプレッシャーを感じる。僕自身、良い成績を残したいと思うし、周囲も成績を求めるはずだ。そして競争相手はライバルチームだけでなく、チーム内にも厳しい競争相手がいる。僕たちのマシンの状態は良い。だからいま集中すべきは、良いペースノート作り。そして良きドライビングのポイントを見つけることだ」(ラッピ)

チーム代表のマキネンも、ここラリー・フィンランドはチームにとって相性が良いコースだと語る。

「我々のヤリスWRCは、こうした高速タイプのラリーに向いている。所属する3名のドライバーたちも自信を持っているし、速く走れるマシンであることを確信している。私個人としては、ここは勝利を目指して戦いたい。ここまで我々は慎重に準備してきた。ただし、ライバルも同じように十分な準備をしてきたはずだ。だからこそ、ここで勝利を争いたいと思っている」(マキネン)

このように、昨年とは打って変わって勝利をハッキリと意識するコメントをした。つまり、それはTOYOTA GAZOO Racing WRTは、チームとして大きく成長したことをマキネン代表が確信していることに他ならない。

 

◆優勝を渇望する、エース・ラトバラ

今年、ここフィンランドでの優勝を渇望するのが、トヨタのヤリ‐マティ・ラトバラだ。

“ラリー・フィンランドとは?”と問われたラトバラは、「すべてが必要なラリーだ。前提として100%の信頼を自分自身とマシンに持つことが大切だ。もし95%の信頼しか持てなかったら、それはすべてのロスを意味する。自分自身への自信。それ無くしてラリー・フィンランドでは勝負できない」と、自分自身とマシンへの圧倒的な信頼と自信が勝利への鍵だと語っている。

©WRC

事実上の母国勝利を狙うトヨタにとってライバルとなるのが、世界チャンピオンのセバスチャン・オジェ(フォード)と、現在ランキング1位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)だろう。

王者オジェは、“ラリー・フィンランドとは?”と問われると、「すべてのラリーにおいて必要なのは自信だ。自分とマシン、そしてペースノートを信頼すること。だが、ラリー・フィンランドはそのすべてにおいて、さらなる高みが求められる。ラリー界随一の高速ラリーだし、現在のマシンは空力が洗練されたぶん、より走りに影響がある。でも、走りは本当に楽しい。最初から最後まで全開のラリーだからね」と意気込みを語った。

木曜日のSS1は午後7時スタート予定。日本との時差は6時間あり、(日本時間で)27日金曜日午前1時スタートとなる。最初のSS1は2.31kmの顔見世だが、まずはフィンランド人ドライバーたちの人気ぶりに注目が集まるところだ。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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