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オリンピックから花が消えた!2020東京での復活に向け花業界の想い背負う熱き男

◆リオ五輪で使用されなかった「ビクトリーブーケ」

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

©TOKYO応援宣言

表彰式の際、メダルとともに贈呈されるビクトリーブーケ。五輪では1984年ロサンゼルス大会から取り入れられ、メダリストたちの栄光に文字通り“華”を添えてきた。

今回修造は、この花束に情熱を傾ける松本頼明さん(46歳)の元を訪れる。2016年に「ビクトリーブーケプロジェクト」を旗揚げした松本さん。その情熱が故に、ブーケの持ち方から並々ならぬこだわりがある。

「普通の花束と違って、このビクトリーブーケは“見せる”ために片手で持てるようにできています。なので、もらい慣れていない選手の方は、花をカメラのほうに向けるのを忘れちゃうんですね。こうカメラに向けて、ちょっとポーズを作ってもらったりして、このキレイな花を…」(松本さん)

©TOKYO応援宣言

このこだわりに修造も微笑ましく驚くなか、松本さんはリオ五輪で受けた“ある衝撃”について語る。

2016年のリオ五輪、表彰式ではブーケは渡されず、記念品のメダル立てが贈呈された。「今回はどんな花かな」とテレビを見ていた松本さんは、あまりの驚きに“卒倒”までしたという

ブーケ(花)が使用されなかった大きな理由のひとつは、猛暑で花が傷んでしまうことだ。

2020年の東京大会でも猛暑が予想されるが、松本さんは「だからこそ復活を」と声をあげている。「花を愛する国・日本が、東京大会で花を出さないなどあり得ない。今こそ日本の花業界がひとつになって、オールジャパンとして美しい花を提供したい!」という熱い声だ。

 

◆復活に向け、方々から集まる想い

ビクトリーブーケ復活への課題は、夏の猛暑に強く、大会期間を通じて安定した量を確保できる花を探すということだ。

本業は花の市場の運営である松本さんは、その人脈を活かし、全国各地の生産者にビクトリーブーケ復活の必要性を熱く訴え続けた。それでも、事の大きさから、最初は苦難の連続だったという。

©TOKYO応援宣言

「最初の頃は自腹で花を買ってきて、フローリストさんにお渡しして作ってもらって納品していました。ところが、見積もりが甘くてですね、思ったよりもコストが…。そうしたら、僕の仲間たち、例えば市場の仲間が『松ちゃん、うちも協賛するから』って。生産者も『使ってもらえるなら無償で提供します』って言ってくれて。ここには、みんなのボランティア精神がつまっているんです」(松本さん)

花業界に関わる人たちの想いが詰まったビクトリーブーケ。今では、全国の仲間たちから様々な花が提案されるようになってきたという。

例えば、取材の日にビクトリーブーケに使っていた「アルストロメリア」は、長野五輪でビクトリーブーケに採用された花。近年品種改良が進み、とりわけ山形県鶴岡産のアルストロメリアは夏の猛暑にも耐えられるようになったのだという。

さらに、アルストロメリアの周りを彩るのは、東京都三宅島産の観葉植物「キキョウラン」

©TOKYO応援宣言

三宅島は、2000年に大噴火で島民全員が離島する災害に見舞われた。その後帰島を果たすものの、火山性ガスの影響で多くの植物が枯れてしまう。そんな中で噴火に負けない植物として栽培が始まったのが、キキョウラン。いわば復興の象徴だ。

松本:「三宅島は、火山が噴火して花があまり作られる状態じゃなくなっちゃったんです。でも、キキョウランだけはその環境で生産できる強さを持った植物だったんですよ。だから今、このキキョウランに力を入れている。三宅島から生産者がたくさん来て、使ってほしいと言ってくれたんです」

修造:「じゃあこれには、三宅島のみなさんの想いもつまってるんですね!」

松本:「そうなんです。このビクトリーブーケにキキョウランが使われて、アスリートの方に渡されれば、生産者の方はすごく嬉しいでしょう!」

 

◆日本を花であふれる素敵な国に

©TOKYO応援宣言

松本さんを中心に花業界全体が協力して作ったビクトリーブーケは、5月に行われた競泳・ジャパンオープンでも採用された。

実際に手にしたパンパシ水泳代表・池江璃花子選手は、「一つ一つの花束に思いが込められているんだなって。すごくありがたいなと思います」と話しており、評判も上々だ。

2020年、ビクトリーブーケ復活へ。松本さんは今、そこに採用されるための花を探し続けていている。

修造:「東京大会でビクトリーブーケが採用されたら、どんな思いになりますか?」

松本:「もう本当に嬉しいというか、念願かなったといいますか。それこそ自分が金メダルを取ったくらいの気持ちになりますね。オリンピック以降、是非日本が花であふれるような素敵な国になってほしいという願いがあって、オリンピックはそのひとつの大きな出発点というか、スタートラインですね」

2020年のビクトリーブーケ復活はなるか。2年後の表彰式に注目だ。<制作:TOKYO応援宣言>

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系

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