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西野ジャパン、“前代未聞”の一戦へ。宇佐美・武藤ら「プラチナ世代」がカギ握るか

5月30日(水)、日産スタジアムで行われるキリンチャレンジカップ2018「日本対ガーナ」。この試合は、これまで数多行われてきた親善試合の中でも「最も重要」といってまったく過言ではない一戦だ。

©テレビ朝日サッカー

6月14日に開幕するロシアW杯。その本大会直前に衝撃の監督交代が発表され誕生した“西野ジャパン”。今回のガーナ戦は、そんな西野ジャパンにとっての初陣であるとともに、本大会メンバーの発表を翌日に控えた一戦でもある。

まさに異例中の異例、前代未聞の一戦であり、当然のことながらW杯本大会のメンバー発表前日に試合が行われるのは史上初のことだ。

選手にとって“究極のサバイバル”となる一戦。本大会同様の注目度となることが予想される。

 

◆注目すべき「プラチナ世代」

©テレビ朝日サッカー

5月18日(金)、そんなガーナ戦メンバーの27名が発表された。W杯に向け、第1段階のチケットを与えられた27名といえる。

発表後、その動向も含めて大きな注目を集めているのは、やはり長らく代表を牽引してきた本田・香川・岡崎 の“ビッグ3”。そんななか、92年組、“プラチナ世代”から6人が選出されていることにも着目しておきたい。

“プラチナ世代”とは、1992年~93年早生まれの選手たちのこと。今回の27人では、宇佐美貴史・柴崎岳・武藤嘉紀・昌子源・大島僚太・遠藤航が選ばれている。

若くしてサッカー界で大きな注目を集めた彼ら。その理由のひとつが、“U‐17”のW杯でのブラジルとの一戦だ。終了間際の不運な失点により2‐3と敗れたものの、彼らはネイマール率いるブラジルと対等な戦いをしてみせ、才能豊かな世代として将来を期待されることとなった。

しかしその後、A代表では本田・岡崎・長友らに象徴される“北京世代”が長く代表の中心として活躍してきたことで次世代の台頭がなく、現在の日本代表の低迷の一因とされることもある。

他国では、“プラチナ世代”と同年代の選手が中心となってチームを引っ張っている国があるのが実情であり、今回の日本代表も、彼らの活躍が躍進のカギを握ることとなるだろう。

 

◆先頭を走ってきた宇佐美貴史

©テレビ朝日サッカー

そんな“プラチナ世代”の選手たちのこれまでの歩みを紹介しよう。まず、この世代で最初に先頭を走ったのは、宇佐美貴史(デュッセルドルフ)だ。

ガンバ大阪ジュニアユースで当時から年代別の日本代表にも選ばれていた宇佐美は、中学3年時にはガンバ大阪ユースに飛び級で昇格。高校1年生ながら10番を背負い日本クラブユース選手権の優勝に貢献し、高校2年生でまたもや飛び級でトップチームに昇格。17歳14日にして、当時ガンバ大阪史上最年少となる公式戦デビューを果たす。

そして、19歳でドイツの名門・バイエルンと契約した宇佐美。しかし、満足のいく結果を残せず、1年間バイエルン、1年間ホッフェンハイムを経て、わずか2年で再びJリーグへ戻ることになった。

その後Jリーグで結果を残し、2016年に再び海外挑戦。ドイツ・アウグスブルクへ移籍するも、期待されたほどの結果は残せず、現在所属するデュッセルドルフへ。ここで原口元気とチームメイトとなり、チームの1部昇格に貢献。個人としても8得点3アシストの活躍が認められ、今回の代表メンバー入りにつながっている。

 

◆シンデレラボーイ、武藤嘉紀

©テレビ朝日サッカー

続いて、FWの武藤嘉紀(マインツ)。

武藤は、2014年に現役の慶応義塾大生ながらJリーグでプロデビューを果たすと、新人最多得点記録を達成。日本代表へ招集されると2試合目にして初ゴールを決め、その後2015年にドイツ・マインツに移籍するなど、わずか2年で大ブレイクを果たした。

まさに“シンデレラボーイ”として脚光を浴びたが、それから度重なる右ひざの怪我でリハビリの日々。苦しい時を支えたのはW杯への強い想いで、迎えた今シーズンはドイツで日本人最高の8ゴールを挙げ、2017年10月以来の代表招集を勝ち取っている。

 

◆レアル・バルサにゴール。柴崎岳

©テレビ朝日サッカー

そして、この世代で継続的に高評価を得てきたのが、柴崎岳(ヘタフェ)だ。

高校2年時に青森山田高校で選手権準優勝を果たし、鹿島アントラーズとプロ契約を結ぶ。U‐17W杯でも日本代表の背番号10を背負い注目を集めた柴崎は、Jリーグでもベストヤングプレーヤーを受賞し、2016年のクラブワールドカップではレアルマドリードからゴールを決めた。

そして、その後スペインへ移籍しバルセロナからも得点を決めた柴崎は、レアル・バルセロナの両クラブからゴールを決めた唯一の日本人となっている。

 

◆荒れに荒れた時代も…。昌子源

©テレビ朝日サッカー

最後に紹介したい昌子源(鹿島)。日本を代表するセンターバックだが、その経歴はサッカー選手としては非常に個性的なものとなっている。

ガンバ大阪のジュニアユースで宇佐美と同期だった昌子は、当時のポジションはFWで、中学3年時にまわりの選手との実力差に嫌気がさし、練習に行かなくなってガンバ大阪ジュニアユースも退団。サッカーから遠ざかる。

そうしてサッカーから離れ時間を持て余した昌子は、荒れに荒れた。夜遊びを覚え、ケンカで殴ってしまった子の家に両親と謝罪に行くこともあったという。「高校に行かない」「サッカーもしない」と言っていた昌子だが、親の勧めで米子北高校の練習に参加すると、彼の心の中で何かが変わり、再びボールを蹴るようになった。

その後、“鹿島アントラーズ→日本代表”というサクセスロードを歩み、今回のメンバーにも選ばれている。

このように、実に多様な経歴で代表までたどり着いている“プラチナ世代”の選手たち。

彼らが、生き残りをかけたガーナ戦でどんなプレーを見せるのか。そして、本大会メンバーに選ばれることになるのか。注目したい。<制作:テレビ朝日サッカー>

※放送情報:「キリンチャレンジカップ2018 日本×ガーナ」
2018年5月30日(水)よる7時~放送、テレビ朝日系列地上波にて生中継

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