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トヨタ、今季初勝利へ!最終日残し2位に46秒5差【WRC:ラリー・アルゼンチンDAY3結果】

現地時間の4月28日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・アルゼンチン」のデイ3が開催。SS9からSS15まで7本のSS(スペシャルステージ)で競われた。

©WRC

デイ3の結果は、1位オット・タナック(トヨタ)、2位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ/1位から46秒5遅れ)、3位ダニ・ソルド(ヒュンダイ/同1分8秒2遅れ)、4位セバスチャン・オジェ(フォード/同1分59秒0遅れ)、5位アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ/同2分13秒8遅れ)、6位エサペッカ・ラッピ(トヨタ/同2分42秒9遅れ)、7位エルフィン・エバンス(フォード/同2分49秒1遅れ)、8位クリス・ミーク(シトロエン/同3分20秒4遅れ)という上位陣となっている。

前日のデイ2に続き、この日も速さを見せたのはトヨタのタナックだった。

7本のSSのうち、またしても5本でトップを獲得。そのリードをスタート時の22秒7から46秒5へと大きく広げた。このまま最終日の3本のSSでリードを保てば、トヨタにとって今シーズン初、そしてタナックにとっても移籍後初の勝利となる。

SS15の走行を終えたタナックは、以下のようにコメント。

「素晴らしい1日だったかって? そんなことはない。ハードな1日だった。マシンは右前輪ダンパーのオイルが無くなった状態で、ステアリングもパワーステアリングが切れた状態になった。だから、マシンの状態には常に気をつけなければならない。そんな中でこの結果ということにはハッピーだよ。

昨日と比べれば、昨日のほうが良い1日だった。今日は僕自身ミスが多かったからね。ただ、結果として一定以上の走りを継続できたことは良かった。マシンセットアップには終わりがなくて、今日もいろいろとエンジニアに言ったし、それは次のステージだったり、次のラリーだったりに生きる。終わりはないんだ。でも、今日はそうしたおかげで自信を持って走ることはできたと思う。

確かに明日は今シーズン初勝利のチャンスがある。だけど、ラリーは何があるかわからない。集中を切らさないようにしないと」

このように、厳しい顔を崩さず、残り3ステージも一切気が抜けない厳しいラリーであることを感じさせた。

©TOYOTA GAZOO Racing

2位のヌービルは、SS15を含め攻めていたが、タイヤのパンクを注意した走りに終始していたことを語った。

「ちょっとタイヤマネージメントに気を使い過ぎた。でも、いい走りはできていたと思うよ。タイヤのパンクは嫌なのでね。もちろん、もっと本来のマシンパフォーマンスは高い。多分、他にも僕と同じように安全マージンを取ったドライバーは多いんじゃないかな」と、トヨタに離されたのは本来の力の差ではないと暗に話す。

確かに、シトロエンのミークなどはタイヤのパンクに苦しまされた1人だ。

彼は、「確かにコースに石は多いのだけど、そこまで影響があるものだとは思っていなかった。SS15では突然空気圧センサーが反応して、センサー故障かなと思ったらステアリングに違和感が出て、後輪タイヤがパンクしたことがわかった。でも、ここアルゼンチンはコース幅が狭いから、なかなかマシンを止める場所がない。だからパンクした状態である程度走って、状況を悪くしたね」とコメント。

タイヤのパンクが順位を落とした原因であると考えると、どの程度安全マージンを取って走るかは各ドライバーやチームの戦略の差が出てくるポイントだ。

©TOYOTA GAZOO Racing

そして、初出場のラリー・アルゼンチンで総合6位まで浮上してきたトヨタのラッピは、マシンの状態は完璧なフィーリングだろう、と問われると、「いやいや、全然そんなことはないよ。僕たちのマシンはライバルたちとの差は本当に僅かだ。確かに昨日も今日も結果は良いけど、それは本当に結果がついてきただけだよ」と答え、決してマシンが有利という訳ではないことを語った。

3日目を終えて、いよいよトヨタの今季初勝利が見えてきたラリー・アルゼンチン。トップのタナックは残り3ステージをどのように走り切るのか、注目が集まる。

ラリー・アルゼンチンの最終日デイ4は、SS 16からSS 18、合計3本のSSを予定。SS16の現地スタート時間は午前9時8分(日本時間は午後9時8分)を予定している。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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