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王者オジェが今季2勝目!トヨタは最終日全SSでトップ獲得【WRC:ラリー・メキシコ最終結果】

現地時間の3月11日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「ラリー・メキシコ」のデイ4(SS20~SS22)が行われた。

©WRC

最終結果は、フォードのセバスチャン・オジェが優勝し今季2勝目。2位には今季初表彰台獲得のダニ・ソルド(ヒュンダイ/1位から1分3秒6遅れ)、3位も同じく今季初表彰台となるクリス・ミーク(シトロエン/同1分19秒2遅れ)となった。

以下、4位アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ/同1分38秒4遅れ)、5位セバスチャン・ローブ(シトロエン/同2分24秒6遅れ)、6位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ/同9分3秒0遅れ)と続いている。

©Citroen Racing

優勝はオジェだったが、ラリー・メキシコで最も注目を集めたのは、途中まで総合トップだった伝説の王者ローブだ。

過去に2006年から2012年まで6年連続でラリー・メキシコを勝利した「マエストロ」の出走に、メキシコのWRCファンは熱狂。結果は総合5位フィニッシュだったが、もしデイ3でのパンクがなければ最後までオジェと競っていた可能性が高い。

ローブ本人は、「このラリーに参加する前のテストは上手く乗れていた。でも自分のレベルが、現在のコンマ秒を争うWRCの世界で通用するとは思っていなかった。だから、今回のペースで走れたことは驚きだ。それだけに、あのパンクは少しストレスだったね。なんにせよ、この週末は素晴らしかった。次のラリー・フランスでは良い成績が得られるといいね」と、同じくスポット参戦となる次戦に期待を寄せた。

一方、シトロエンのエースとして3位表彰台を獲得したミークだったが、ラリーの内容は元王者であるローブに圧倒されていたとあって、ラリー後のコメントも、「もちろん今季初表彰台とチームが多くのポイントを獲得できたことは嬉しい。しかし、それ以上に残念な気持ちがいっぱいのラリーだった。ここは優勝できるペースだったし、期待されていた。それなのに自分の仕事が出来なかった。馬鹿馬鹿しいミスを連発した結果だ」と反省しきりだった。

©WRC

優勝したオジェは、これでラリー・メキシコ4回目の制覇。

元王者でありチームメートであるローブを上回っての勝利には、「最高だ。ここで4回目の勝利なのだから。今回はスタートした直後は優勝する可能性は低かった。しかし我々は諦めなかった。そしてマシンは素晴らしかった。チームも多くのポイントを獲得できたよ」とコメントし、ラリー後の公式会見でも、「勝利を意識したのはローブがパンクした土曜日のときだ。もしあのパンクが無かったとしても、僕たちの方が良いリズムで走れていた。最終日に接戦をしただろうね。ハッキリしたのは、ローブが(以前同様の速さで)帰ってきたことだ」と感慨深く話していた。

©TOYOTA GAZOO Racing

今回、マシントラブルで早々に優勝争いから脱落してしまったトヨタの3台だが、最終日はSS20でヤリ‐マティ・ラトバラがステージトップ、SS21ではオット・タナックがステージトップでラトバラが2位、そして最後のパワーステージでもタナックがステージトップ、ラトバラが2位となり、すべてのSSでトヨタがステージトップを獲得。

ラリーの結果自体は悔しいものだったが、その潜在的な速さを証明することができたと同時に、ラトバラとタナックはドライバーズチャンピオンシップでも重要なポイントを加算した。

トヨタのエース・ラトバラは、SS20走行後、「いいフィーリングだったし、いい走りが出来た。マシンの感触は最高だったから、走行中はとてもハッピーだった」と本来の性能を出したヤリスWRCに満足げだった。

最後のパワーステージとSS21でステージトップを獲得したタナックも、「SS21はパワーステージを見越してタイヤをセーブして走った。最後は限界まで攻めた。5ポイント獲得は嬉しいよ」とチャンピオンシップポイント加算を喜んだ。

次のFIA世界ラリー選手権は、4月5日~8日開催予定の第4戦「ラリー・フランス」。地中海に浮かぶコルシカ島でのターマック(舗装路)ラリーだ。

「ツール・ド・コルス」と呼ばれた老舗ラリーであり、今回スポット参戦したシトロエンのローブが再び登場。コルシカ島でのラリーで、ローブは4勝を挙げている。

果たして、伝説の王者は再びファンを驚かす走りを見せることできるのか。注目が集まる。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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