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シェイクダウン終了で遂に開幕!WRC(世界ラリー)初戦ラリー・モンテカルロの歴史的価値

WRC(世界ラリー選手権)の2018年シーズン開幕戦、「ラリー・モンテカルロ」が1月25日からスタートする。

1月28日までの4日間で予定されている全SS(スペシャルステージ)は17箇所。果たして、どんなラリーとなるのだろうか?

◆「ラリー・モンテカルロ」の意義と歴史的価値

まず開幕戦を前に、簡単に「ラリー・モンテカルロ」と参加4チームの紹介をしたい。

©WRC

「ラリー・モンテカルロ」は、WRCイベントのなかで最も歴史が長いラリーだ。

初開催は1911年。ちなみに当時の日本は明治44年で、内閣総理大臣は桂太郎(首相在任日数歴代1位、現在の安倍首相は歴代4位)と西園寺公望の時代。明治維新を成し遂げた人物たちが日本を動かしていた頃、すでにラリーというモータースポーツは産声を上げていたことになる。

それほど長い歴史を持つラリーイベントだけあって格式も高く、世界三大レースはF1の「モナコGP」、耐久レースの「ル・マン24時間レース」、そしてラリー・モンテカルロと同じ1911年にスタートしたアメリカ最高峰モータースポーツイベント「インディ500」であるが、「ラリー・モンテカルロ」はこの世界三大レースに匹敵すると言われている。

そんな「ラリー・モンテカルロ」は、参加するドライバーたちにとって最も勝利してみたいラリーのひとつだ。トヨタのエースドライバーであるヤリ‐マティ・ラトバラは、この「ラリー・モンテカルロ」での過去最高位は2位(2015年と2017年)。このラリーイベントについて次のように語っている。

「ラリー・モンテカルロは、全ラリーイベントの中でいちばんストレスを感じるイベントです。マシンセッティングはどうか、タイヤの状態はどうか、雪道の対応はどうか。僕と一緒に戦うコ・ドライバーも同じようにストレスを感じます。

でも、そのストレスを乗り越え、モナコの表彰台に立ったとき、そうしたすべてのものから解き放たれる感覚を味わえます。最高の気分です。これほどの感覚が得られるラリーは他にありません」(ラトバラ)

F1モナコGPの勝利はレース3勝分の価値があると言われているが、「ラリー・モンテカルロ」もまた、すべてのラリードライバーにとって1勝以上の価値を持つラリーイベントであることは間違いないだろう。

◆参加4チームの特徴

2018年シーズン、WRCには4つの自動車メーカーが参加している。各チームの特徴を簡単に見ていこう。

©WRC

昨年チャンピオンを獲得したフォードは、5年連続王者のセバスチャン・オジェを中心に、昨シーズン母国のラリーGB(グレートブリテン)で優勝したエルフィン・エバンスなど、信頼性重視のチーム。

ただし、エースドライバーのオジェに続く速さを見せていたオット・タナックがトヨタへ移籍したぶんを他のドライバーたちがカバーできるのかがポイントとなる。

©WRC

昨年2位となったのはヒュンダイ。昨シーズン、単純にマシンの速さでは4自動車メーカーのなかでトップだったのではないかと言われている。

エースドライバーは、チャンピオンシップ2位だったティエリー・ヌービル。ミスを減らせば間違いなくチャンピオン候補のひとりだ。そこへ元VWの実力者だったアンドレアス・ミケルセンが昨シーズン終盤に加わった。ミケルセンは、2014年から2016年までの3年間、シーズン3位を記録している。

さらに、ヘイデン・パットンとダニ・ソルドが引き続きチームに残ったことで、非常に高いレベルで安定した力を発揮できるチームとなった。

©WRC

昨年3位は日本のトヨタ。昨シーズンは18年振りのWRC復帰参戦ということで、トミ・マキネン代表は「学びの年」だと開幕前に言っていたが、蓋を開けてみれば2戦目「ラリー・スウェーデン」でいきなり優勝。さらに「ラリー・フィンランド」も優勝し、シーズン2勝をあげた。

エースドライバーは引き続きラトバラ。WRC通算17勝のベテランが悲願の王者を目指す。そして、ユホ・ハンニネンに代わりフォードからオット・タナックが加わった。WRC通算3勝、昨シーズン2勝をあげた実力者だ。フォードで培った豊富な経験が生かされるだろう。

3台目には、若手のエサペッカ・ラッピ。昨シーズンにトヨタからWRCデビューを果たし、母国の「ラリー・フィンランド」でいきなり初優勝を果たした将来有望な若手だ。今年は更なる成長を果たすことが期待されている。

©TOYOTA GAZOO Raicng

タナックの加入によってチームの実力が大いに底上げされ、今シーズンはチャンピオンシップへ挑戦できる体制となった。

©WRC

そして4チーム目は、シトロエン。昨シーズンは最下位に終わったものの、シトロエンはWRC通算98勝、表彰台獲得241回、そして8度も製造部門世界王者に輝いた最強チーム。

ドライバーは、昨シーズン2勝を挙げたクリス・ミークを中心にしている。今年に向けた最大のテコ入れ策は、2004年から2012年まで9年連続でWRC王者に輝いたセバスチャン・ローブが3戦だけのスポット参戦ながら復帰することだ。

絶対王者であるローブがマシン開発に加わることで、チームが大きく前進することが期待されている。また、フォードからマッズ・オストベルグを引き抜き、チームの底上げを図った。

このように4チームともに潜在能力は高く、2018年はかなり実力が伯仲した状態で戦うことになりそうだ。

◆シェイクダウン走行終える

さて、すでに全チームクルーはモンテカルロ入りしており、水曜日に11台のWRカーがシェイクダウン走行を終えた。

シェイクダウンとは、実際に現地でWRカーを走らせて状態を確認したり、マシンの調整を行うテスト走行のこと。まだ各チームの真の実力が見えたわけではないが、調子が良さそうかどうかの判断にはなる。

シェイクダウン走行の順位は、1位がヒュンダイのティエリー・ヌービル、2位もヒュンダイのダニ・ソルドが続き、3位にトヨタのオット・タナックが入った。トヨタは、ラトバラが6位、エサペッカ・ラッピが9位となっている。また、昨シーズン王者、フォードのセバスチャン・オジェは7位でシェイクダウン走行を終えた。

トップのヌービルは、「本番スタートを前に良いマシンセッティングが見つかった。マシンの感じは昨年とよく似ている。今シーズンはチャンピオンに挑戦したい。大変なチャレンジだけど自信を持って進むよ」と意気込みを語っている。

トヨタに新加入したタナックは、シェイクダウン走行3位。チームからは、ラトバラと並びすべてのラリーイベントで表彰台の常連となることを期待されている。

そうしたチームの期待に対してタナックは、「チームのポテンシャルは既に感じている。そして僕はチームの一員として、チームのタイトル獲得に貢献したいと思っているよ。僕はチームに加入したばかりだというのに、すでにチームの一員として迎えられていると感じている。シェイクダウン走行後はマシンに対しての不満部分を解消すべく色々言ったよ。でも、これは良い兆候なんだ。チームはちゃんと聞いてくれるからね」と、すでにチームの一員としてプロフェショナルな仕事を開始していることを語った。

さて、「ラリー・モンテカルロ」開催地のモナコ公国と日本の時差は8時間。

SS1のスタート時間は、現地時間1月25日の午後9時43分を予定しているので、日本時間では26日金曜日午前5時43分に最初のマシンがタイムアタックをスタートさせる。いよいよ、WRCの2018年シーズンが始まる。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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