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超個性派女優・安藤玉恵の素顔!学生時代、外交官になるため猛勉強するも…

早稲田大学在学中に芝居と出会い、演劇サークルに入部。卒業後、劇団「ポツドール」に所属し、数々の舞台公演に出演。2003年、廣木隆一監督の『ヴァイブレータ』で映画デビューして以降、独特の存在感と体当たり演技で、映画、テレビ、舞台に引っ張りだこの女優・安藤玉恵さん

出演シーンが少ない作品でも、強烈な印象を残す超個性派女優はいかにして誕生したのか。安藤さんに都内でインタビュー。

◆安藤玉恵、外交官になるために猛勉強するも…

-今や映画、テレビ、舞台に欠かせない女優さんですが、もともとは俳優志望ではなかったそうですね-
「そうなんです。国連とかで働きたくて。外交官ってカッコ良くないですか?(笑)それで10歳くらいから目指して、ずっと勉強していました」

-英会話は小さい頃から堪能(たんのう)だったそうですね-
「堪能(たんのう)というほどでも。父がとんかつ屋をやっていたんですけど、なぜかバイリンガルで、自分が英語をしゃべりたいからお店に外国人をたくさん連れて来ていたんです。だから、その場では色んな人に会ってしゃべるということはできていましたね」

-ご実家は、テレビ東京の『孤独のグルメ』にも出た有名なお店ですよね-
「『どん平』というとんかつ屋です」

-メニューも独特だとか-
「とんかつは煮込んでから揚げるので、洋風っぽいんですよね。和洋風というのかな。父はロシアのボルシチから着想を得て作り出したと言ってましたけど、多分うそです。だいたいふざけた人だったのでうそだと思うんですけど(笑)」

-何かすごい逸話が色々あるそうですね-
「そうなんです。本当に。『変な人』だということで新聞に載ったりしていました。変わっている人、変なおじさんみたいな枠で。例えば、父はスキンヘッドだったんですけど、焼酎をかけてタワシで頭を磨くと毛が生えてくるということを銭湯でやり出して、銭湯に『マイタワシ』をみんなが置きだしたんですよ。銭湯に来る人たちが真似して。それも何かニュースになっちゃって(笑)」

-結局、どうなりました?-
「毛は生えなかったんですが、健康にはなるということで、何か意味が違ってきちゃって。みんな健康にはなったらしいんですけどね(笑)」

-影響力がすごくある方だったんですね-
「もう亡くなってるんですけど、昭和2年生まれなので、戦前からですから。
7人兄弟の長男だったので、闇市で妹たちを食べさせるためにお金を稼いだりとか。色んな面白い話がありますね」

-お父様のユニークな発想とチャレンジ精神を安藤さんが受け継がれているのかもしれませんね-
「そうかもしれないですね。『できないことは何もない』ということは常に言われていました。『あなたが何かやろうと思ったら、絶対できる』って、すごく力強い感じでした」

-猛勉強して上智大学外国語学部ロシア語学科に合格されましたしね-
「大学に入って挫折しましたけどね。ロシア語に挫折したことが、だいぶ大きかったです。ガックリきました。外交官になるために3か国語が必要ということでロシア語を選んだんですけど難しかったですね。60人クラスにいて、毎年20人留年するくらい、すごくテストが大変なんです。うちに帰っても6時間くらい勉強しなくちゃいけなくて。でも、何か違和感を感じて『違う、これじゃない』と思ってやめました」

※安藤玉恵プロフィール
1976年8月8日生まれ。東京都荒川区出身。早稲田大学在学中に芝居と出会い、演劇サークル「早稲田大学演劇倶楽部」で活動。卒業後、劇団「ポツドール」に所属し、看板女優として活躍。映画『ヴァイブレータ』で映画デビュー後、映画『松ヶ根乱射事件』、映画『ぐるりのこと。』など多くの映画、テレビ、舞台に出演。映画『夢売るふたり』で第27回高崎映画祭最優秀助演女優賞受賞。

外交官になることを諦めた後、何をしたら良いのかわからなかったという安藤さん。上智大学を退学した翌年、早稲田大学第二文学部に入学。そこで演劇と出会う。

◆就職活動は「ミステリーハンター」?

-演劇との出会いは?-
「表現芸術系の科目を取っていたんですが、クラスの男の子に誘われて、演劇サークルの体験入部に行ったんです。女の子がいないから来てと言われて行ってみたら結構面白くて、居付いたという感じ。また次も行こう、次も行こうって。楽しかったので結構ハマっちゃって」

-それで本格的に演劇を始めたわけですか?-
「そうです。大学1年生のときに」

-卒業した後、就職することは考えました?-
「就職は考えました。TBSの『ミステリーハンター』は就職かなと思ったんですよね。(笑)世界を回ってレポートするのは、立派な職業になるかなと思って。すてきな仕事で、親も安心するだろうなと思ったんです。

何も知らなかったので、TBSに電話をして、『ミステリーハンターになりたいんですけど、どうしたら良いんですか』と伺ったら、『制作会社が作っていますからそちらに連絡してみて下さい』と言われ、そこに電話をしたら、『出演者は芸能事務所から派遣されていますから』って。

そこはモデルさんしかいない事務所で、絶対に入れないからあきらめたんです(笑)」

-「ミステリーハンター」だと語学力も活かせますからね-
「そうなんです。英語が活かせるし、世界史がすごく好きだったので。『ここでクエスチョン』とか、ナポレオンの格好で言いたかったんですよね…。とてもやりたかったんですけど、その事務所の人たちはみんな背が高くて、手足も長くて…。

ちょっと私とは別の世界の人たちだったので、無理だとすぐにわかりました。(笑)」

-それからどうされたんですか-
「それで就職活動が終わって、親にも無理だったと伝えました。スタイルの問題で、それは遺伝子だからしょうがないねって話ですけど(笑)」

◆劇団「ポツドール」の看板女優に

ミステリーハンターをあきらめた安藤さんは、2002年、ひとつ上の先輩・三浦大輔さんが旗揚げした劇団「ポツドール」に入る。既存の形態とは違うことにチャレンジする活動自体が面白くて、そこに参加したいと思ったという。

-色々な試みをされていたようですね-
「はい。台本もなかったりして。毎回違うもの、ドキュメンタリーみたいなこともやっていました。面白いと思ってはいたんですけど、きつかったですね、やっていることは。人の裏側を描きますから。しかも、みんな役名じゃなくて、自分の名前で自分のからだで舞台に立っていたので。

役者もみんな20代だから、たいして人生経験もないのに、それでも何か面白いことをしなくちゃいけないという。所属した5年間、つらかったと言えばつらかったけど、面白かったですね」

-かなりきつそうですね-
「そうですね。台本がある作品もありましたけど、台本も稽古で作りながらでしたから。
今考えると勉強になりましたね。舞台に立つということはどういうものなのかとか。自分をさらさないと誰も面白いと思ってくれないんですよね。それを毎回舞台上で経験させてもらったという感じはあります」

-抵抗感はなかったですか-
「だんだん思い切りがよくなっていくんです。ここまでやらないとダメだろうってなっていきました」

-お母様もすごいですよね。「役者は監督から言われたら全裸になって踊ったり、グチャグチャになったりできないならやめたほうが良い」っておっしゃったとか-
「言ってましたね。お母さんが一番、そういう意味ではファンキーなお母さんですから。『ポツドール』が結構大変で、みんながボロボロに傷ついたり、けがしたりという時期でも、『三浦が描きたいことはママわかるから』と言って。すごく味方なんですよね。『人間の負の部分を描くためにはそうならなければいけないの』みたいな感じで。無頼派なんですね(笑)」

イラスト:Cato Friend 宣伝美術:冨田中理/©ブス会*

◆安藤玉恵はイケメンが苦手

昨年は劇団「ポツドール」の旗揚げメンバーであり、AV監督としても活動するペヤンヌマキさんの舞台制作ユニット「ブス会*」で『男女逆転版・痴人の愛』を上演。

-21日(日)には久留米で公演されるそうですね-
「はい。『男女逆転版・痴人の愛』のリーディング公演をやります」

-リーディング公演というのは?-
「一般的な演劇公演ではなく、台本を持ちながら演じる『読む』お芝居なんです。去年の夏に1回、古民家でやって、12月にそれを舞台版にしたんですが、再びリーディングに戻すというか、また少し変えてやるんです」

-公演まであと数日ですが-
「リーディング公演は、ほぼ私の独白で続いていくので、主に家で個人練習をしていますね」

-原作は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』ですか-
「そうです。『痴人の愛』は35歳くらいのおじさんが、15歳の女の子を育てるという話ですが、それを逆転させて、おばさんが若い男の子を家で教育していたら、翻弄(ほんろう)されていくという。主人公の洋子役をやります。洋子は彼なしでは生きてはいけなくなるんですけど、裏切られてしまって、暴力をふるって出て行かせてしまうんですが、後悔のどん底に陥って、おかしくなっていく…という展開です」

-若い子に入れ込むというか、執着するという思いはわかります?-
「個人的には全くわからないですね、イケメンもちょっと苦手ですし。だから若くてステキな子を見ても、何とも思わないんです。可愛いとも思わない(笑)」

-演出のペヤンヌマキさんとは早稲田大学の時代からのお付き合いだとか-
「そうです。演劇サークルからです」

-昨年のチラシに生誕40周年記念とありましたね-
「すみません。『生誕』って調べたら、亡くなった偉人に対して使う言葉だと出ていました。ペヤンヌが企画が上がったからって持って来たとき、驚いたんですけど、でも『40歳』と打ち出してやったほうが、面白いと言えば面白いんですよね。おばさん感がすごく出て、わかりやすいですから。15歳の男の子の役は、彼は実際には24歳だったんですけど、それでもだいぶ年が違いますから、感覚も違うし。肌つやもね、すごく良いし。全然違うなあ、年の差ははっきりとわかるなあって思いました(笑)」

表情変化が豊かで笑顔がとてもキュートな安藤さん。次回後編では、映画『探偵はBARにいる』シリーズの撮影裏話、プライベートも紹介。(津島令子)

※ペヤンヌマキ×安藤玉恵生誕40周年記念ブス会*
リーディング公演『男女逆転版・痴人の愛』
翻案・演出:ペヤンヌマキ
出演:安藤玉恵、福本雄樹(劇団唐組)、山岸門人/浅井智佳子(チェロ演奏)
1月21日(日)久留米シティプラザ 和室「長盛」
1.13:00開演(12:30開場)
2.17:00開演(16:30開場)※終演後アフタートーク有り
一般:1000円
読み比べセット券1500円(20日開催「陰陽師 鬼小町」とのセット券)
http://kurumecityplaza.jp/events/684

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