テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

羽生結弦、世界最高得点の新真実を初告白!「SEIMEI」で五輪に挑む理由とは?

ついに五輪シーズンの幕が上がったフィギュアスケート。

男子フィギュアスケート・羽生結弦は、「グランプリファイナル2015」でみせた“伝説の演技”「SEIMEI」をさらに進化させ平昌五輪で連覇に挑む。

そんな彼が、先日9月24日(日本時間)にカナダで行われた今シーズン初戦の国際大会「オータムクラシック」で、新演技を初披露。その模様は、テレビ朝日で放送されたドキュメンタリー特別番組『神様に選ばれた試合』(テレビ朝日系)で完全速報された。

©テレビ朝日

さらに、同番組では羽生結弦自ら「グランプリファイナル2015」での“伝説の演技”を初解説。羽生は、当時明かされることのなかった新事実を告白した。

また、2シーズン前に演じた「SEIMEI」をオリンピック連覇のための演技に選んだ理由も、明らかになった。

 

◆伝説の演技『SEIMEI』

2015年11月28日のNHK杯で“異次元”の世界最高得点を出した羽生。そのわずか2週間後に開催された「グランプリファイナル2015」で、驚異の最高点更新を成し遂げた。その瞬間「SEIMEI」は、「羽生結弦が、羽生結弦を超えました!」という実況とともに“伝説の演技”となった。

「SEIMEI」のモチーフは、狂言師・野村萬斎が安倍晴明を演じた歴史ファンタジー映画『陰陽師』。自身初となる4回転ジャンプを3本組み込む挑戦的な構成となっており、使用する楽曲の編集を羽生自らパソコンでおこなうなど、彼のこだわりが感じられる演技だ。

 

◆“世界最高の自分”との戦いが始まる

この「SEIMEI」で臨んだNHK杯では、冒頭の4回転からジャンプを次々に決める会心のパフォーマンスを披露。その出来栄えを物語るかのように、演技を終えた直後のリンク上で感情を爆発させた羽生は、216.07(合計322.40)を叩き出し、見事フリーの世界最高得点を大幅に更新した。

そして、この瞬間から羽生と“世界最高の自分”との戦いが始まる。彼は、当時の気持ちを以下のように振り返る。

「なんか“怖さ”を初めて感じたかなって思います。NHK杯でやり切れたという気持ちが出ちゃっていたので。そこからどうやって、より良いものとして(演技を)できるか。それを期待されるようなプレッシャーは初めて感じました

 

◆怪我の影響は「なくはなかった」

NHK杯で異次元の高得点を記録した2週間後、これまでにないプレッシャーを感じながら迎えた、スペイン・バルセロナでの「グランプリファイナル2015」(2015年12月12日)。

この日、羽生は前述の感じたことのないプレッシャーに加え、ある不安要素を抱えていたという。それは、試合前の練習中に起こったある出来事に関係していた。

©テレビ朝日

その練習で羽生は、抜群の成功率を誇る4回転トウループを珍しく失敗。表情を歪める羽生の顔をあるカメラが捉えていた。

この“羽生らしくない不調”の原因は、「グランプリファイナル2015」の数ヶ月後に発表される左足のリスフラン関節じん帯損傷に関連するものだった。

このリスフラン関節じん帯損傷は、足の甲にあるリスフラン関節を繋ぐじん帯の怪我。そのため、左足のつま先を突いて跳ぶトウループでは、痛めている足の甲に大きな負担がかかる。

番組のインタビュアーからの「(後に公表された)怪我の影響は当時あったか?」という質問に、羽生は「なくはなかったですね」と返答。

さらに、インタビュアーがこの怪我の影響について羽生に尋ねると4回転トウループをやるときの衝撃が自分の足にかなり負荷になっていたということはすごくありましたし、それによって、練習の頻度というか4回転を跳ぶ回数もかなり制限していました」と告白、当時大きなハンデを背負っていたことが彼の口から初めて語られた。

 

◆逆境はねのけ、掴んだ自信

“世界最高の自分”と戦ううえで、得点に大きく関わる4回転を練習で跳ぶ回数を制限しなくてはならない“怪我”という、大きなハンデを背負った羽生。

しかし、羽生はそんな逆境をものともせず、ジャンプだけでなく、空中姿勢から着氷まで完ぺきに決めてみせた。そして、不安を抱えていた4回転トウループを成功させたときの心境を以下のように振り返った。

あそこは自分のなかで一番演技に入り込めたポイントではあります。あそこでトウループが決まってなかったら、そのプログラム自体が崩壊してしまうところがあるので

さらに、演技の後半に差し掛かる大事な場面について、羽生はそのときのことをこう解説した。

「ここら辺で考えていることは、ここのステップでレベル4を取らないと、それ以上の点数を出すことが非常に難しくなる。その前の試合で、すべての完成度が高かったので、ここのステップを絶対に取らなきゃいけないって思いつつも、体力のコントロールとか息を整えたりしなきゃいけないっていうのも、いろいろ全部含めてやっていました」

©テレビ朝日

こうして終えた演技の後、NHK杯のときとは対象的に、羽生は感情を爆発させることなく静かに大きく開いた手をそっと閉じた。「この試合でしかやっていない」という、採点に関係のないこの動作を付け加えた理由を羽生は語ってくれた。

「(この演技では、陰陽師が操る)式神がいろんな所にいて、それによって全部バーンって弾けるような感覚なんです。それを弾けたままで(演技を)終わらせたくはないなっていう気持ちがすごくあって、だから最終的にはある意味、自分が現世に戻るため(笑)、その世界を“完結”させてから挨拶に行こうって思っていました」

大舞台で圧巻の演技が終わった直後まで“完璧”を求める羽生の冷静さが感じられるこのエピソード。羽生は、冷静にいられた理由をこう説明している。

「前の大会(NHK杯)ではある意味、無我夢中でした。よく(野球の)ヒーローインタビューで聞く『来た球打ちました』みたいなやつです。ただ、このプログラムに関しては、それ(NHK杯での演技)を再現しなといけなかったんです。再現しなきゃいけないときは、ただ無我夢中だけではそれに敵わないんです。そういった意味では冷静な状態でした

究極の集中状態“ゾーン”に入った結果ではなく、「もう計算済です、全部」とあくまでも冷静に自らをコントロールしたうえで、NHK杯を超えるための得点とペース配分を同時に計算し、それをリンクのうえで表現していたという“伝説の演技”の真実を初めて打ち明けた羽生。

©テレビ朝日

かつてないほどのプレッシャーや怪我の影響など、さまざまな逆境のなかで“意識的に最高の演技を再現”し、自身がもつ世界最高得点を更新した結果に「究極な集中状態(ゾーン)に入っていなくても、これが出来たっていう自信にはかなりなりましたね」と手応えを感じている様子をみせた。

そして、羽生は「この試合があったからこそ、今、より難しいことをやって、より表現したいと思っていて。このファイナルが終わった辺りから『これをオリンピックで使おう!』っていう風には思っていました」と、オリンピック連覇を狙う演技として「SEIMEI」を選んだ理由を明かした。

この2年間、羽生が密かに温めてきた『SEIMEI』。羽生結弦が再び羽生結弦に挑む今シーズンの彼の戦いに注目だ。

※番組情報:『フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2017』(日本時間)
第1戦 ロシア大会:2017年10月20日(金)〜22日(日)
第2戦 カナダ大会:2017年10月28日(土)〜30日(月)
第3戦 中国大会:2017年11月3日(金)〜5日(日)
第4戦 日本大会(NHK杯):2017年11月10日(金)〜12日(日)
第5戦 フランス大会:2017年11月17日(金)〜19日(日)
第6戦 アメリカ大会:2017年11月25日(土)〜27日(月)
グランプリファイナル:2017年12月7日(木)〜10日(日)

LINE はてブ Pocket +1