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姫(八千草薫)、亡くなる【『やすらぎの郷』第23週おさらい】

「倉本聰がシニア世代に贈る大人のための帯ドラマ」として4月から放送を開始し、シニア世代のみならず大きな注目を集めている石坂浩二主演の平日昼の帯ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)。

9月4日から9月8日に放送された第111~115話(第23週)では、戦前から活躍してきた大女優、“姫”こと九条摂子(八千草薫)の死が描かれた。

そんな第23週のストーリーを、まとめておさらいしていこう。(写真はすべて©テレビ朝日/無断転載禁止です)

 

◆姫、旅立つ

テレビに功績のあった者だけが入れる老人ホーム「やすらぎの郷」。

ここでは目下、がんを患い余命1カ月ほどと言われている“姫”こと大女優の九条摂子(八千草薫)の容体が住人たちの関心事となっているが、そんななか、トランペッターで作曲家の白鳥洋介(上條恒彦)の部屋に思わぬ珍客が現れた。

その客とは、認知症が進行したために遠方の介護施設へと移っていたはずの元入居者・及川しのぶ(有馬稲子)だ

なんとしのぶは、那須にある介護施設から5時間以上タクシーに乗って「やすらぎの郷」へとやってきたのである。タクシーの値段は実に約7万円だったが、元シャンソン歌手であるしのぶのファンだったというタクシーの運転手(中西良太)は、車内でずっとしのぶが歌ってくれていたからその御礼として「お金はいらない」という。

しのぶがそんな驚くべき大規模な“徘徊”をした理由は、“虫の知らせ”。

しのぶは“虫の知らせ”で不思議と姫の病状を察知しており、お見舞いに歌をプレゼントすると言って、白鳥洋介とともに『ゴンドラの唄』の練習を始める。

「いのち短し 恋せよ乙女」と歌うこの『ゴンドラの唄』。

女優の“お嬢”こと白川冴子(浅丘ルリ子)や水谷マヤ(加賀まりこ)らは、その歌詞が(余命わずかな姫にとって)まずいのではないかと話すが、これは戦前・戦中・戦後と長きに渡って活躍してきた姫が大好きだった1曲。しのぶは、病室で眠る姫に届けようと心を込めて歌った。

そして、その日の夜11時52分、姫は亡くなった。「やすらぎの郷」は、入居者も従業員も問わず、みなの涙に包まれる。

 

◆「覚悟」と「納得」

姫の訃報はたちまち世間にも知れ渡ることとなり、施設がその対応に追われるなか、脚本家の菊村栄(石坂浩二)は女優の井深凉子(野際陽子)とともに姫の在りし日の姿を偲びながら遺影選びをしていた。

また栄は、姫の追悼特集を組む新聞から追悼文を依頼され引き受けることにする。さらに本葬での弔辞も頼まれた栄だったが、自分は本葬には出席しないとしてこれは断る。

しかし、同じく弔辞を頼まれた“お嬢”こと白川冴子は、なぜかウキウキした様子だった。

大女優である姫の本葬となれば、テレビやマスコミも多く押し寄せる。そんななかでの弔辞は、お嬢に言わせれば「晴れ舞台」。お嬢はデザイナーに喪服を新調させるほど高揚していたが、そんなお嬢や、自分が弔辞を頼まれてないことにすねてお嬢に噛みつく水谷マヤに、施設内のバー・カサブランカのバーテン、ハッピー(松岡茉優)が激怒する

「みなさん、年をとっておかしくなってます!(これは)亡くなった九条さんの式じゃないんですか? 白川さんが何を着ようが、もう九条さんは見られないんですよ!」と怒るハッピーの強い言葉によってやっと冷静になった面々は、東京で行われる姫の本葬へと出発した。

本葬に出席しない栄は、静まり返った施設で追悼文の執筆に取り掛かるが、思いがけず「やすらぎの郷」理事長で医師でもある名倉修平(名高達男)にコーヒーに誘われる。

その場には、同じく本葬に出席しなかった俳優の高井秀次(藤竜也)と白鳥洋介もおり、3人は名倉から姫の最期について話を聞くことに。

名倉いわく、姫の最期は、「まったく苦しまれず、眠るがごとく大往生でした」というほど見事なものだったそうで、姫の安らかな最期を願っていた栄はこれに感謝するとともに、姫は死ぬことを“覚悟”し“納得”していたからこそ苦しまずに逝ったという名倉の見解に深く感心した。

また名倉は、“虫の知らせ”で突如現れた及川しのぶが姫の枕元に1冊の詩集を置いていったということを教える。それは、20世紀前半に活動したフランスの女性画家で彫刻家のマリー・ローランサンの詩集で、しのぶは「鎮静剤」という題の詩に付箋を貼っていた。

「退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です」という一節で始まり、「死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です」という言葉で終わるこの有名な詩。しのぶは、わざわざ遠方から駆けつけ、この詩をもって何を伝えたかったのか? 栄たちは考えさせられる。

ただし、この“コーヒー”の場での話は栄に大きな示唆を与え、それをもとに栄は姫への追悼文を書き上げた。名倉はこの追悼文の出来に賛辞をおくる。

そして、東京での本葬に出向いていた一行も帰ってきたこの日の夜、「やすらぎの郷」には、白鳥洋介が奏でる葬送のラッパが静かに響きわたっていた。

姫が亡くなってしまった…。『やすらぎの郷』をずっと観てきた人にとっては喪失感が否めなかった第23週だが、まったく苦しまずに逝ったと聞いて、まるで虚実が入り混じったように安心した人も少なくないだろう。

残り3週となった『やすらぎの郷』。第24週には、菊村栄(石坂浩二)の孫の梢(山本舞香)が第1週以来の登場を見せる。いったい、どんな風を吹かせるのか? 見逃せない!

※ドラマ『やすらぎの郷』は、こちらにて無料の見逃し配信も展開中

※これまでのおさらい
第1週(第1話~5話)までの「おさらい
第2週(第6話~10話)までの「おさらい
第3週(第11話~15話)までの「おさらい
第4週(第16話~20話)までの「おさらい
第5週(第21話~25話)までの「おさらい
第6週(第26話~30話)までの「おさらい
第7週(第31話~35話)までの「おさらい
第8週(第36話~40話)までの「おさらい
第9週(第41話~45話)までの「おさらい
第10週(第46話~50話)までの「おさらい
第11週(第51話~55話)までの「おさらい
第12週(第56話~60話)までの「おさらい
第13週(第61話~65話)までの「おさらい
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第15週(第71話~75話)までの「おさらい
第16週(第76話~80話)までの「おさらい
第17週(第81話~85話)までの「おさらい
第18週(第86話~90話)までの「おさらい
第19週(第91話~95話)までの「おさらい
第20週(第96話~100話)までの「おさらい
第21週(第101話~105話)までの「おさらい
第22週(第106話~110話)までの「おさらい

 

◆第116話あらすじ

九条摂子(姫/八千草薫)が旅立って10日が経ったころ、なんの前触れもなく菊村栄(石坂浩二)を孫の梢(山本舞香)が訪ねてくる。

久しぶりに会う梢は大人びた雰囲気をたたえており、栄は少し戸惑いを感じる。聞けば、善福寺の家は取り壊され、親元を離れた梢にはパートナーの男性がいるという。

 

※番組情報 帯ドラマ劇場『やすらぎの郷
毎週月~金・午後0:30~午後0:50、テレビ朝日系24局
<再放送:【BS朝日】毎週月~金 午前7:40~午前8:00>

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